注目の阪神ドラ1ルーキー・佐藤輝明選手が、オープン戦で驚異的数字を残してチームをけん引している。3月14日の巨人戦では「6番レフト」で出場し、4本目のアーチを放った。
この時点で、佐藤の本塁打数は12球団トップ。中でも12日の3本塁打目、西武の開幕投手である高橋光成から、逆方向の左中間スタンドに放り込んだのだから、その実力はホンモノと見ていいだろう。
しかし、結果が出れば出たで心配するのも、虎ファンの心境だ。実際、気になる情報もないわけではない。
「佐藤がスタンドに叩き込んだのは、全部ストレート。対戦チームは速いボールにどんな対応をするのか、テストしているのではないか」(球界関係者)
オープン戦の成績はアテにならない。2018年の阪神・ロサリオもオープン戦中盤以降、急に打てなくなった。じつは佐藤もドラフト指名前、「将来性はバツグン。プロ投手の落ちるボールや、外に逃げていく変化球に対応できるようになれば」と、“辛口な評価”もされていた。
現時点で、佐藤には厳しい変化球は投じられていない。
「外角低めの変化球にどんな反応をするのか、それに対応できるのなら、佐藤は1年目からレギュラーでやっていけるでしょう」(前出・同)
矢野燿大監督も「まだ真の評価を下す時ではない」と分かっていて、佐藤を起用しているとの情報も聞かれた。今のプロ投手のスピードに対応できていればよし、苦手克服はその次で良いとしているそうだ。
「大山、サンズの調子がまだ上がってこないことのほうが心配です。主力打者が好調なら、佐藤を試合のなかで勉強させられますので」(ベテラン記者)
佐藤の開幕スタメンは堅いそうだが、それも主力選手の状態次第か。将来の大砲として“苦手コース”を執拗に攻められる時期も必要だ。対戦投手のマークが佐藤に集中しない打線になればいいのだが…。
(飯山満)