現地時間2月23日にプロゴルファーのタイガー・ウッズ選手が両足を骨折するなど重症を負った自動車の横転事故で、運転していたSUV車で韓国のヒュンダイ製「ジェネシスGV80」に対し「この車のおかげで助かった」「いや、この車のせいで事故にあった」と世界中で論争が巻き起こっている。
事故当時運転していたジェネシスの最新モデルはウッズ自身のものではなく、ヒュンダイがスポンサーを務めるゴルフイベントに参加していたため、期間限定で提供されていたものだという。その車を運転中に中央分離帯を乗り越えて道路脇の木に衝突、横転して大事故になったことから、「慣れない車で猛スピードを出したのが原因か」と報じるメディアもあった。
地元警察の発表で、「車両の前面は完全に破壊されていたが、(ジェネシスに搭載されている10個の)エアバッグが作動し、幸いにも室内は無傷だった」と説明したことから、大事故でもウッズの命が守られたのは《ジェネシスGV80の安全性能のおかげ》と絶賛する声が世界中から相次いだのだった。
「しかし、これとはまったく逆の意見もあるのです。というのも、ヒュンダイの高級車ブランドであるジュネシスは、自動車耐久品質調査でトップの評価を受けるなど、その安全性が欧米で高く評価されているものの、実はその一方で不具合が相次ぎリコールも発生していると聞きます。そうしたことから、《そもそもウッズが事故を起こしたのはジェネシスの運転性能にも問題があったからではないのか?》といった声もあがっているのです」(ITジャーナリスト)
ただ、ここへきてブレーキ痕がないことから、ウッズの居眠り運転の可能性を指摘する報道もある。ともあれ、スポンサー企業の車が、こうした形で脚光を集めるとは予想だにしなかっただろう。
(小林洋三)