渋沢栄一も影響を受けた幕末の偉人に珍説、生涯“女性未経験”を貫いた!?

 現在放映中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の影響でその功績が改めて注目されている渋沢栄一。そんな“日本資本主義の父”と称えられる彼が残したとされる名言に、

《夢なき者は理想なし 理想なき者は信念なし 信念なき者は計画なし 計画なき者は実行なし 実行なき者は成果なし 成果なき者は幸福なし ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず》

 という言葉がある。

 そう伝えられているだけで本当に彼が残した言葉なのかは定かではないそうだが、実はコレ、松下村塾を開いたことで知られる幕末の偉人、吉田松陰の名言によく似ている。

 それは《夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に夢なき者に成功なし》という言葉。2人が本当に残したのかは諸説があるが、両者の人となりをよく表したものだと言われている。

 思想的な共通点が多く、渋沢は後に官僚として仕えた初代総理大臣で松下村塾の門下生、伊藤博文ともたびたび松陰について言葉を交わしたとも言われている。

 そんな吉田松陰は安政の大獄により29歳の若さで亡くなったが、彼には生涯“女性未経験”であったという珍説がつきまとっている。松陰の妹、千代が残した回顧録には、「生涯婦人に関係せることは無かりしなり」と記されている。また、友人たちの間でも松陰の女性に関する噂がまったくないこと、一緒に旅行に出かけても自分だけ遊郭に行かなかったことから“仙人”とのあだ名をつけられていたそうだ。

「幕末は“英雄色を好む”を地で行くようなタイプの偉人が多い中、松陰は女性にまつわる話が一切ありません。そんな彼が多くの志士に影響を与えたのは大変興味深い」(歴史学者)

 よく冗談で「30歳まで未経験を貫くと魔法使いになれる」なんて言われたりしているが、その直前で生涯を終えた松陰。しかし、彼の弟子や影響を受けた人物が新しい時代を創ったことを考えれば、ある意味で本物の魔法使いだったのかもしれない。

(T-Factory)

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