犯行予告メールに爆破の“標的”として記されていたのは市内の役所や温泉施設、宿泊施設、学校、そして老人ホーム。「サリン入り手りゅう弾」、「コロナウイルス入り爆弾」などと物騒な文言が並んでいたことから、メールを受けた滋賀県草津市は対策本部を立ち上げると同時に首をかしげているという。
というのも、メールには「リコールに賛成した者を射殺する」とも書かれていたからで、これは同じ「草津」でも草津違いで、温泉で有名な群馬県草津町の話だからだ。
「滋賀県の草津市役所にメールが届いたのは12月7日。この前日の6日、群馬県の草津町では、女性町議のリコールを問う住民投票があって、賛成多数の結果が出ていました。メールはこのことを受けてのものなんでしょうが、草津市と草津町の両方をターゲットにすると書いてあって、単純なミスなのかそれとも愉快犯なのか、真意が計り知れないものだったんです」(週刊誌記者)
仮に本気なのだとしたら間違いに気づくはずだから杞憂に終わるはずなのだが、それでも念のために草津市は警戒態勢を敷かねばならないので、どっちにしたって迷惑な話なのだが。
だが、謎はそればかりではない。というのも、今回の爆破予告、そもそも草津町のリコールとも無関係かもしれないからだ。
「草津市には9月から毎月、爆破や殺害予告が送られていて、これで4回目だからです。何か他の意図が感じられます。そこで犯人像として囁かれているのが、『恒心教』という迷惑ノリを楽しんでいるネットユーザーの集まりなのです」(前出・週刊誌記者)
彼らはとある有名弁護士をネタにしたうえで、もう10年も前から殺害予告を繰り返しているという。今年6月には東京都立大学や大手広告会社などにも爆破予告メールが送られたが、これらも「恒心教」の仕業ではないかとされている。11月10日には上智大学と横浜国立大学にも送られ、こちらはキャンパスを閉鎖する事態となった。
SNSの分析を行う企業が発表した数値によると、去年10月1日から今年9月までの1年間で確認された「爆破予告」は176件。そのうち137件が今年7月以降になされたものだという。さらに内訳を見ると、教育機関と自治体に被害が集中している。そのすべてが彼らの仕業とは言わないが、やり口や対象はかなり似ている。
大阪ではこれらの件に一部で関与していたとされる大阪大学の大学院生が威力業務妨害容疑で逮捕されている。男は「恒心教徒」を自称していたという。立派な犯罪行為であることを自覚して欲しいものだ。
(猫間滋)
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