認可事業者はたったの4割!1兆円をつぎ込んだ「GoToトラベル」大失敗の理由

 7月より旅行業界の復興支援を目的に「GoToトラベル」がスタートしたが、同キャンペーンに登録したホテルや旅館が全体のわずか4割にとどまっているとテレビ朝日系の報道番組が伝えている。

 ニュースサイト「テレ朝news」にアップされた記事によれば、「これまでに登録が認められた全国のホテルや旅館は1万6000件余りで、全体の4割ほどにとどまっている」といい、登録が進んでいない理由について国土交通省の関係者は「コロナ感染拡大を心配して申請しない事業者もいるのではないか」としている。

 しかし、登録が進んでいない理由は感染拡大を心配してではなく、手続きが複雑すぎて宿泊業を営む大半の中小零細事業者が対応できていないだけという声もある。

「宿泊事業を営んでいる方のブログやSNSを見ると、《GoToの概要をまとめた資料を見たが、要点が曖昧で全体像を理解することはできない》《GoToトラベル事務局のコールセンターですら情報が錯綜していて申請が出来ない》《東京除外も含めてルールが細かすぎる。とにかく書類が複雑で、ひとつでもミスがあると通らない》などGoToトラベルに対する悲鳴が各所から聞こえてきます。いったい誰のためのキャンペーンなんだと疑問に思わずにはいられませんね」(経済ジャーナリスト)

 旅行業者および宿泊事業者の同キャンペーンへの参加申請は8月21日までとなっている。このままでは1兆円以上の予算をつぎ込んだ政府の経済政策は画餅となりそうだ。

(小林洋三)

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