チコちゃんもビックリ!? 海底油田発見で茨城が「住みたい県1位」になる日

 以前、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」で、石油が何でできているかを解説。回答は「生き物(プランクトン)の死がい」で、それが泥や砂などと重なり地層を形成。長い年月を経ることで、「ケロジェン」という物質に変化し、熱を受けて熟成され、石油ができるとの説明を聞き、なるほど、と思ったことがある。

 茨城大大学院の教授(地質学)と北海道大の研究チームが、茨城県北茨城市の景勝地・五浦海岸の一帯に広がる奇岩が、海底の天然ガスによって作られたと発表、海底油田の可能性に言及し、大きな話題になったのは7月26日のことだ。

「研究チームは2013年から、高感度検出器を用いて岩の塊に残る微量なガス成分を測定。気体に含まれる水素やメタン、エタンなどの特徴や組成を調べた結果、メタンが天然ガスに由来することがわかった。ガスの成分を分析したところ、海洋の動植物プランクトンの死骸が地熱によって分解された可能性が高いことを突き止めたんです。そして、地殻変動に伴い流出した天然ガスが化学変化して岩を形成したのであれば、茨城沖には大規模な油田およびガス田が存在した可能性が高いという結論に達した、とされています」(全国紙社会部記者)

 このニュースを受け、SNS上では、

《すごい発見。資源大国になるのでは……という可能性に大興奮!》《ジャパニーズドリームやん! 茨城が日本を救う》《おお、茨城の時代がきたか!バブル来るぞ》《マジかよ〜、茨城県に引っ越すわ!働かなくても生活に困らなくて、医療費も学費も無料になるんやろなあ》と驚きと期待の声が上がる一方、

《油田もガス田も“存在していた”と考えられるってこと!? う〜ん、「あった」と言うことですよね。もう無いんじゃないの?》《日本の海底資源そのものは豊富らしいけど採算あわないからこれも無理だろ》《掘ったら地盤沈下するので駄目!というオチは勘弁して欲しい》というシビアな意見も……。そんな声を受け、前出の記者が言う。

「実は以前から、日本の近海には『メタンハイドレート』といわれる巨大なエネルギー資源があるとされてきましたが、現状、採掘はおろか調査さえ進んでいないのが現実でした。その理由は、海底から掘り出しても採算が全くあわないのでは、という懸念があったから。つまり、技術的に採掘可能であることと、継続的に採算を見込めることは別個の問題で、油田開発というのは、そのくらい博打性が強いものなんです。なので、その部分がある程度明確になるまでは、中国やロシアに対し、いつでも自給できるぞというポーズを見せておきながら、買えるうちは買っておけばいい。あくまでも切り札は温存しならが、粛々と研究を進める。そのバランスが重要でしょうね」

 たしかに、イギリスやノルウェー沖の北海油田も埋蔵量は大きいものの、採算が合わず、開発が進んでいないが、仮に茨木沖の海底油田開発が成功すれば、世界の注目が集まることは必至。そんな期待を込めて、SNS上には「一躍茨城が住みたい県1位に!?」といったツイートもあり、この大胆予測には、チコちゃんもビックリ、といったところか……。

(灯倫太郎)

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