株価急伸のテスラが時価総額22兆円で「世界一」は“まやかし”か

 7月1日、米・大手電気自動車メーカー、テスラの時価総額がトヨタ自動車を抜いて自動車メーカーとしては世界一となった。テスラ株はここ1年で約5倍と急騰しているが、時価総額が実態を伴っていないとの声も少なくない。

「テスラ株は1日、一時5%の上昇を見せるなど史上最高額を更新。株価×発行済株式数から計算される時価総額が約2070億ドル(約22兆2400億円)となり、自動車メーカーで首位に立っていたトヨタの21兆7185億円を抜きました。このニュースは世界各国で驚きをもって報じられています」(経済誌部記者)

 ただ、時価総額トップになったといっても、最も稼いでいる自動車メーカーというわけではない。テスラの昨年の自動車販売台数は約37万台で、約1074万台を販売したトヨタに比べればまだ30分の1程度でしかないのだ。

「米企業の株価は新型コロナウイルスの影響で大暴落しましたが、テスラが上場するナスダックの総合指数はコロナ前よりも高値をつけるなど、異常なほど急騰しています。そんな中で、テスラは“投機目的”として株が買われているだけとの指摘もあります。今年5月に同社のイーロン・マスクCEOが『テスラの株価は高すぎる』とツイッターで投稿したことが話題となりましたが、現在の株価上昇は“バブル相場”と言わざるを得ません」(経済評論家)

 すぐにトヨタが時価総額自動車メーカー世界一を奪還することになりそうだ。

(小林洋三)

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