民放連の「AMラジオ廃止」要望がアイドルにとって不都合なワケ

 AMラジオがなくなる? 放送行政を管轄する総務省が3月27日に開催した有識者会議にて、民放連が2028年までのAMラジオ廃止とFMラジオへの転換を可能にする制度改正を要望した。これが実現すると現在のAMラジオ局はFMによる放送へと変わり、聴取エリアがこれまでより狭くなることも予想されるという。

「ラジオ好きの間では反対の声も多いのですが、世界の潮流はAM廃止。ドイツやフランスでは15年にAMによる公共放送を停波しているほか、北欧ではラジオ放送自体が廃止され、ネットラジオに移行しています。AMラジオは災害に強いとの意見も多いのですが、AMラジオの送信には消費電力の大きな大規模施設が必要で、送信所は河原のような広い場所に建てられます。そのため東日本大震災では多くの送信所が使えなくなった例もあるのです。そしてAMラジオ局は経営が厳しいところも多く、このままではラジオ局が倒産し、結局は停波同然になるとの観測も根強くあります。ラジオ放送のFM転換はおそらく、避けられない流れとなるでしょう」(放送業界関係者)

 もっとも、AMラジオがなくなるといってもニッポン放送や文化放送がなくなるわけではなく、FMでの送信に切り替わるだけ。すでにワイドFMの補完中継で聴いていたり、ラジオが聴けるアプリの「radiko」で楽しんでいる聴取者には何の影響もない。

 そのradikoのダウンロード数は500万ほどに達しており、昨年4月にはジャニーズタレントの番組も全国で聴ける<エリアフリー>と、後からアーカイブを聴取できる<タイムフリー>に対応。いずれ訪れるであろうAMラジオ停波にも対応できているように思われる。だが実際にその日が来た場合、ジャニーズを筆頭とするアイドルたちが、とある困難に直面するというのだ。テレビ誌のライターが指摘する。

「今後はますますラジオをネットで聴く文化が根づいていき、タイムフリーで楽しむ人も増えることでしょう。そうなるとラジオのパーソナリティー側には、いつどこで聴かれるのかが分からない状況での番組進行が求められるようになり、“ライブ”に強いアイドルの特性が裏目に出る恐れも高まるのです。たとえば時事ネタばかりを話したり、後から聴くとネタバレばかりになってしまうトークを連発してしまうと、『ラジオを分かってない』との評価が下されかねない。つまりAMラジオの停波は、ラジオへの適性を生々しくあぶりだすリトマス試験紙になるというわけです」

 ラジオ番組を持つアイドルたちはいまから、いずれ来るであろうAM停波時代に備えて、トークの腕を上げておくのが良さそうだ。

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