「なんでダメなんだ!」太田の擁護でも消えない“きゃりー政治発言”のしこり

 お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が5月13日放送のラジオ番組「JUNK爆笑問題カーボーイ」(TBSラジオ)に出演し、“検察庁法改正案に抗議します“と表明した歌手のきゃりーぱみゅぱみゅについて言及している。

 きゃりーは5月10日、自身のツイッター上で突如「検察庁法改正案に抗議します」とのハッシュタグを添えたツイートを投稿。政治とはあまりリンクしない普段のキャラクターとは異なるテイストのつぶやきとなったことから、ファンの間でも物議を醸し、「歌手が政治に口を出すな」といった辛辣なバッシングも寄せられる“大荒れ状態“となってしまった。

 すると、きゃりーは「ファンの人同士で私の意見が割れて、コメント欄で激論が繰り広げられていて悲しくなり消去させて頂きました」と説明し、“抗議ツイート“を削除。自分なりに情報を収集した上での投稿だったが、添付した画像に事実的な誤りがあったなどの指摘も受け、「今後は発言に責任を持って投稿していきます。失礼致しました」と謝罪している。

 この一連の騒動により、歌手はSNSで政治について論じてはいけないのかといった点にも様々な見解が集まったが、太田は「かわいそうだよな。きゃりーぱみゅぱみゅだってさ、納税者で、ちゃんと税金払ってんだし、政治に口出したって良いじゃないか」「『お前は歌だけ歌ってろ!』って言われちゃったんだろ。かわいそう。酷いこと言うよな。なんでダメなんだよ。そのくせ、『投票には行け!』って言うくせにさ」などと持論を展開し、きゃりーを擁護した。

「たしかに太田の指摘する通り、国に納税の義務を果たしている以上は誰しもが政治について自身の見解を述べる権利があり、今回のきゃりーへの批判はやや過剰なものにも思えます。しかし、彼女がその心証をより悪くしてしまった点があるとすれば、わざわざ自分から検察庁法改正に関するテーマに足を踏み入れておきながら、ファンの間で意見が割れるのは嫌だったとの短絡的な理由で、すぐにその議論から撤退してしまった部分でしょう。政治に関する話題で“意見が割れる“ことは当然であり、だからこそ健全な議論を重ねて互いの意見の相違をすり合わせていくといった部分までが政治のテーマを扱う上でのワンセットです。もちろん、きゃりーの投稿のタイムライン上で繰り広げられた議論がどこまで健全なものだったかは疑問ですが、520万人ものフォロワー同士がいっさい見解が割れることなく、きゃりーの主張に同調するとでも思ったのでしょうか。きゃりーの容姿、考え方、ファッション、楽曲などに関心を持ち、SNSにおける彼女の発信を受け取りたいとの想いで集まった520万人なのかもしれませんが、政治の話題を出すのであれば、“きゃりーのファン“としては一枚岩だったその520万人が、一気に対立し合う可能性もあるという覚悟を当初から持つべきだったといえますね」(テレビ誌ライター)

 この政治的抗議ツイートの騒動から一転し、現在ではツイッターでも“いつも通り“なきゃりーらしさに溢れたつぶやきを投稿。インスタグラムのライブ放送でも自宅でゲームをプレーする様子を配信するなど、平穏なSNSの更新へと戻している。しばらくの間は、自身のヒット曲ではないが、“もんだい(提起)ガール“のキャラクターは封印した方が無難だと言えそうだ。

(木村慎吾)

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