5月11日、KADOKAWAはタウン情報誌「東京ウォーカー」「横浜ウォーカー」「九州ウォーカー」を6月20日発売号をもって休刊すると発表した。「週刊トウキョー・ウォーカー・ジパング」として1990年に創刊された「東京ウォーカー」は30年の歴史に一旦幕を引くこととなり、ネット上では元愛読者たちから過去の思い出が数多く投稿されている。
「東京ウォーカーは表紙に話題の有名人を起用し、東京の最先端情報を紹介する角川書店の看板雑誌として人気を博していましたが、2000年代に入ると次第に売上が落ち込み、週刊誌から隔週刊、そして月刊へと変わり、ついには休刊の決断が下されました。新型コロナウイルスの感染拡大も一因でしょうが、現発行元のKADOKAWAによれば『ウェブやSNSを使用した情報収集が主流となる中、生活者の行動様式の変化に伴い、メディアのデジタルシフトによる情報発信力の強化を図ることを考慮したもの』と理由を説明しています」(週刊誌記者)
なお、姉妹誌である「東海ウォーカー」や「関西ウォーカー」は今後も継続するというが、新型コロナ状況を鑑みて6月号の発売は見送り、次号以降については改めて決定するという。
「東京ウォーカー」の休刊決定に、ネット上では《創刊当初は毎週買ってたな。これ読んでないと時代に乗り遅れるような気がしたんだよね》《地方から東京に来た大学生のバイブルだった。学食に集まってみんなで占いをチェックしたりね》《クリアケースに「東京ウォーカー」を入れて、大学に通っていました。デートの時は読み漁った》など昔を懐かしむ声が多く見られる。
「かつては人気雑誌の王道だったタウン情報誌も次々と姿を消し、情報サイトや無料配布のフリーペーパーが主流となる中で、『東京ウォーカー』はよくぞここまで持ちこたえたなという印象です。今後はWEBサイト『ウォーカープラス』にて引き続き各エリアの最新情報を発信するとのことです」(前出・週刊誌記者)
つくづく時代の流れを感じる出来事である。
(小林洋三)