新型コロナが「投手・大谷翔平」の復帰を後押しする意外なワケ

 開幕延期で“二刀流復帰プラン”にも、大きな変更が生じている。

「日本に帰ってもいいと言っている」

 去る3月18日(現地時間)、エンゼルスのジョー・マドン監督が電話会見を開き、投手として復帰する大谷翔平の今後の調整方法についてこう答えた。

 米国でも新型コロナウイルスの影響で開幕戦が延期されただけでなく、現地に入っての取材活動も禁止となった。そのため、マドン監督にテレワークでの共同会見が申し込まれたのである。そこで出たのが、大谷の一時帰国案だった。

 現在、メジャーリーグではキャンプ地に残って練習するか、帰宅して家族と過ごすかは自由選択となっている。

「メジャーリーグのペナントレースが始まるのは7月になるという見方も出てきました。というのも、メジャーで唯一、アメリカ国外のカナダに本拠地を置くブルージェイズの問題があります。カナダは外国人の入国や滞在にも制限を掛けており、足並みを揃えてレギュラーシーズンを迎えるのは困難でしょう。移籍1年目の山口俊も一時帰国する可能性が出てきました」(米国人ライター)

 しかし、この開幕戦の大幅な延期が「二刀流大谷」の復帰を後押しするというのだ。

「マドン監督を始め、エンゼルスは『投手・大谷』には練習をさせない方針を明らかにしていました。大谷が投げるのは5月中と目されていましたが、7月まで開幕戦が伸びるのなら、エンゼルス投手陣にとっては大きなプラスになるかも」(前出・米国人ライター)

 大谷が一時帰国すれば、古巣・日本ハムが受け入れ先となるだろう。日本ハムもシーズン中なのでスタッフを大勢割くことはできないが、慣れ親しんだ環境での練習は大きなプラスとなるはず。また、日本でメディカルチェックを受けるにしても、通訳を介する必要もない。

「大谷の一時帰国の話はマドン監督から切り出しました。日本で最終調整をすることによるプラス材料を感じているからでしょう」(特派記者)

 7月のレギュラーシーズン開幕と同時に、二刀流が万全を期して先発ローテーション入りとなれば……。開幕ダッシュはおろか6年ぶりの地区優勝も見えてきた。

(スポーツライター・飯山満)

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