アスリートらが勧める「便健康法」最新事情 2020年大予言【医療・健康編】

 いよいよ今年はオリンピックイヤー。世界各国から集まるアスリートたちは、各自の実力を発揮するため体の調子を整える=「コンディショニング」と呼ばれる対策を行っている。

 そこで重要視されるのがズバリ「便」だ。日本オリンピック委員会強化トレーニングドクターやJリーグ・ジェフ市原のチームドクターなども務めた弘邦医院・林雅之院長は語る。

「便は体の免疫力とも深い関係があり、便を見れば腸内環境がわかる。つまり、その時の自分自身の体調が表れるんです。一般的にいい便と言われるのはバナナ状の1本ものといわれるもので、逆に悪い便は赤や黒いもので、硬さで言えば下痢などの軟らかい便。このような便が出たら消化機能が落ちている証拠。大便を通して、自分の体調を可視化することができるのです」

 スポーツ選手は海外遠征での慣れない食生活に加え、ドーピング規制もあって使用できる薬が制限されるため、遠征先で便秘や下痢に悩まされる選手も少なくない。あるスポーツライターによると、

「よく知られるのが98年のフランスW杯でのサッカー日本代表の惨敗。あの試合では代表メンバーの多くが現地で下痢に悩まされ、いつものポテンシャルが発揮できなかった。そんなこともあり、子供の頃から海外チームでの活躍を視野に入れていた本田圭佑は、自分の便の形や色、ニオイなど毎日を克明にメモして健康管理していたことは有名な話です」
 
 近年では、医療現場でも健康な腸内細菌を体内に取り入れる「便移植」など、大便に関わるさまざまな研究が進められている。医療ジャーナリストが言う。

「日本でも、元浦和レッズ・鈴木啓太氏がアスリートの腸内細菌に注目したベンチャー企業を立ち上げました。500人のアスリートから検体を集めて、昨年12月にサプリメントを発売し、話題を集めています」

 アスリートの中には最高のパフォーマンスを発揮した時の大便データを詳細に記録、同様の食事や睡眠時間を取ることで腸内細菌をコントロールしようとする試みもあるという。つまり、今年の五輪は、世界中で行われるコンディショニングの最大の結果発表の場になるに違いないのだ。

「それらの経験・データを生かした、アスリート発の新たな『うんち健康法』が生み出されて、世の中に拡散していく可能性は十分にあります」(スポーツライター)

実現すると「うんちドリル」に続く大ブームが!?

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