「漫画村」の影響か?「SNS型」漫画海賊版サイトが大繁殖の愚!

 出版業界団体「出版広報センター」は12月16日、インターネット上で漫画を無料で読める違法アップロードサイト、いわゆる漫画海賊版サイトが500〜600あることを明らかにした。最近ではSNS型が急増しているといい、現在裁判がおこなわれている漫画海賊版サイトの元祖ともいえる「漫画村」の影響を指摘する声も少なくない。
 
「同センターが今年11月に発表した調査結果によれば、その500〜600ある漫画海賊版サイトの人気上位10サイトには日本国内から1カ月に約6000万回の接続があったといいます。最近では手軽に画像をアップロードできるSNS型が急増しており、年間200サイトが閉鎖に追い込まれているものの、『対応が追いつかないいたちごっこ状態』とのことです」(社会部記者)

 ここまで漫画海賊版サイトが増えた原因には、やはり漫画村の影響が大きいという。出版広報センターの伊東敦座長は、「(漫画村の出現によって)ネットでは無料で漫画が読めると間違った認識が広がってしまった」と指摘している。今年9月には漫画村の元運営者が逮捕されたが、漫画海賊版サイトの運営側にもアクセスする側にも抑止効果にはならなかったようだ。
 
「ウェブサイト分析ツール『SimilarWeb』の調べでは、漫画村の月間利用者が約9892万人いたそうで、日本で31番目にアクセス数が多かったサイトとなっていました。現在、漫画海賊版サイトの上位10サイトだけで月間6000万アクセスがあるということは、漫画村の利用者がそのまま別の海賊サイトに流れていったと見ることもできるのです。また、最近ではサブスクリプションサービスが当たり前になっており、映画も音楽も定額制で見放題・聴き放題の世の中になっていますが、各社の新作人気漫画をまとめて一気読みできる定額制サービスはまだないので、それも海賊版サイトに流れてしまっている一因になっているのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)
 
 漫画はタダで読むのが当たり前という認識を変えていかなければならない。

(小林洋三)

エンタメ