スシロー「100円皿」の売上減少から始まる回転寿司業界の“地殻変動”

 回転寿司チェーン最大手であるスシローを運営する「スシローグローバルホールディングス」が、11月8日に19年度9月期決算説明会資料を公表し、同店のメインである“100円皿”の売上が前年同期に比べ約7%低下していることが明らかとなった。売上自体は伸びているにも関わらず、100円皿離れが起きている原因はどこにあるのだろうか?
 
「スシローでは昨年9月に料金の改定を行い、100円・180円・280円だったものを100円・150円・300円に変更し中価格帯の値段を下げたことで、利用者が“どうせなら少し高くても良いものを味わいたい”と150円皿が支持を集めた結果、100円皿の売上が減少したものとみられます」(経営コンサルタント)

 マルハニチロが毎年公表している「回転寿司に関する消費者実態調査」の19年度版によれば、月に1回以上回転寿司店を利用する15~59歳の男女3000人に回転寿司店を選ぶ際に重視している点を聞いたところ、「値段が安い」が46.0%で首位を獲得したものの、次いで「ネタの新鮮さ」が41.2%と僅差で追随しており、このことからも「より良いものを味わいたい」という消費者が増えていることが明らかとなっている。
 
「回転寿司業界では相変わらず100円チェーンが売上上位を独占していますが、ここ数年は北海道の『根室花まる』や石川県の『金沢まいもん寿司』、神奈川県の『まぐろ問屋 三浦三崎港』、静岡県の『沼津港』など、いわゆる“グルメ回転寿司”と呼ばれる地方の高価格帯チェーンが地元県外にも出店しており、人気を集めています。その影響でネタの新鮮さに重きを置く消費者が増え、これが100円チェーンにも波及したのではないのでしょうか」(フードライター)

 今後は、回転寿司に求められるものが徐々に変わってくるかもしれない。

(小林洋三) 

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