距離と時間をダブル管理!これがETC「新割引制度」のメリットを最大に生かす方法だ

 2025年7月ごろから実施される「ETC深夜割引」の拡大と同時に、割引適用のルールが大幅に見直される。従来の「0時~4時に走れば全区間30%オフ」が、22時~翌5時の走行距離分が対象となり、しかも後日還元へと変わる。また、他にもいくつかの変更点がある。この仕組みを知らずに走ると「思ったほど安くならなかった…」となるかもしれない。

 そこで、ドライバーが事前に押さえておくべきポイントを整理してみた。

 まず、最も重要なのが「割引時間帯に走った距離だけが対象」という点だ。例えば、21時に高速に入り、翌2時に出た場合、従来は21時~2時すべてが30%引きだったが、新制度では22時~2時の区間分だけが割引対象となる。さらに、22時台に出口を通過すると割引率は20%に下がるという「特例」があるため、出入りのタイミングと割引率を管理しないと割引の恩恵を受けることが難しくなる。

 また、「時間あたりの距離上限」と「見なし休憩時間」にも注意が必要だ。普通車の場合、深夜帯(22時~翌5時)の割引は1時間あたり105キロが上限となり、これを超えると超過分は割引対象から除外されてしまう。さらに、連続走行が4時間を超えると、自動的に30分を「休憩した」ものとみなして距離計算を行うため、5時間走っても実質的には4.5時間分しか割引されない。というわけで、以下に主なメリットとデメリットを記した。

【メリット】

●割引時間帯が22時~翌5時に拡大し、早めの出発や深夜帰着にも対応。

【デメリット】

●22時前の走行分や上限超過分は割引対象外となり、従来の「おいしいところ取り」ができなくなる。

●通行時は定価で引き落とされ、還元を受けるには「ETCマイレージサービス」の登録と手続きが必要。

「複雑なルールを把握しきれない人は、NEXCO各社が提供する『ETCご利用シミュレーション(おとくん)』がおすすめです。出発/到着IC、利用日時、車種、ETC番号を入力して『試算する』を押すだけで、割引対象区間や後日還元額の目安が一目でわかります」(自動車ライター)

 深夜割引を賢く使いこなすには、「時間帯と距離のダブル管理」と「マイレージサービスの登録」が必須となる。割引適用時間(22時~5時)にいかに長く、かつ上限内で走るかを意識し、シミュレーションで走行プランを練っておけば、改正後も安心して「深夜のおトク」を享受できるはず。今のうちに準備を整え、新ルールのメリットを存分に活かしたい。

(ケン高田)

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