恋愛感情を悪用して複数の男性から総額1億5000万円以上の現金をだまし取った「頂き女子りりちゃん」が注目を集めたのは記憶に新しいところだが、実は現在、「オジサン」だけではなく中年女性をターゲットにした「ロマンス詐欺」が増えている。
ロマンス詐欺といえば、これまで相手方が外国人や海外居住者を名乗る「国際型」が主流だったが、最近はりりちゃんスタイルの「国内型」が増えているというのだ。
警察庁が6月17日に発表した「令和6年4月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」によると、令和6年1月~4月までのSNS型ロマンス詐欺の認知件数は832件で前年同期比「+448件」。被害額は約84.1億円で、こちらも前年同期比「+40.5億円」と大幅に増えている。
詐欺問題に詳しいジャーナリストが語る。
「ロマンス詐欺というと40~60代のオジサンが被害に遭っているイメージが強いですが、実は30~50代の女性被害者の方が多い。主にマッチングアプリやインスタグラムを通じて知りあい、イケメンの他人の写真を使ったアカウントから『子供を産んでほしい』『1日も早く結婚したい』などといったメッセージが送られ、恋愛関係にあると錯覚させるのが手口。被害額の大半は500万円以下ですが、中には1億円以上取られた人もいます。女性の方が被害額が大きくなる傾向が強いですね」
「恋は盲目」とは、イギリスの劇作家・シェイクスピアの「ヴェニスの商人」のセリフだが、人は周囲が「あの人はやめたほうがいい」と言えば言うほど、それを受け入れ難くなる傾向があるようだ。
りりちゃんのケースでは、50代の被害者が保険をすべて解約するなどして金を捻出していたというが、表沙汰になっていないだけで、女性が丸はがしにされる被害も多数あるのだろう。
(ケン高田)