「小池都知事は4年の任期をまっとうしたら、自民党から国政に復帰する算段でいます。自民党内にも復帰待望論が根強く、4月の東京15区補欠選挙でも萩生田光一都連会長(60)が出馬オファーを送ったほどでした。しかし現政権への政治不信と裏金問題が相まった中での出馬は時期尚早と断ったようですが、次期解散総選挙でも比例代表の公認を確約されていたといいます。すでに政界引退を宣言した二階俊博元幹事長(85)と昵懇の仲なのは有名ですが、その存在感は同格。現時点で女性初の総理大臣筆頭候補なのは間違いない」(永田町関係者)
そうなれば「王将」たる冠も今以上に盤石になるであろう。仮に彼女の対抗馬となりうる女性政治家がいるかと問われれば、上川陽子外相(71)の他に見当たらない。
「自民党に逆風が吹く中で、女性総理大臣の擁立こそが党幹部のコンセンサスになっている。そんな思惑と、華のない地味な佇まいの上川氏がマッチングしているのです。華美な見た目の女性が嫉妬を買うのは政界とて例外ではありません。カリスマ性がないことが幸いして、党内の支持を集めているのです。しかも法相時代にオウム真理教元幹部13人を含む計16人の死刑を執行した〝決断力〟もある。旧岸田派で現政権が院政を敷きやすいのも利点です」(政治部デスク)
もし小池氏が都知事在職の間に上川総理が誕生すれば、当然ながら同じ王将でも格は入れ替わるだろう。
しかし、すでに〝逆王手〟がかけられていたとも。
「総理候補の準備ができているかは疑問です。5月の静岡県知事選の演説で『女性がうまずして何が女性か』というコメントが炎上しました。誤解を招くような表現は避けるべきでした。今では『この人で大丈夫か?』と不安視する議員も珍しくありません。後ろ盾と言われていた麻生太郎副総裁(83)も、いまだに『カミムラ?』などと名前を覚えていないようで‥‥」(政治ジャーナリスト・青山和弘氏)
一方、自民党内で同志を集めて勢力拡大中なのは高市早苗経済安保相(63)だ。主催する勉強会「『日本のチカラ』研究会」には毎回15人〜20人弱が参加。顧問を務める保守系有志グループ「保守団結の会」にも22年時点で61名が入会しているのだ。
「次期総裁選の推薦人集めには苦労しないでしょう。しかも、23年度の党員獲得数も党内2位。『飛車』のごとき働きぶりで、党員票にも期待できます。惜しむらくは、頭に血が上りやすいところでしょう。同じく総理を目指す野田聖子元総務相(63)と口論の果てに、『アナタは議員立法したことあるの?』とブチギレている場面を何度見たことか‥‥」(永田町関係者)
それでも、縦と横のつながりがあるだけマシかもしれない。ベテランの片山さつき元地方創生担当相(65)は「孤高」もとい「孤立」を深めている。
「有権者に知名度があるだけに応援弁士として呼びたい1人ではあります。とはいえ、その後の打ち上げには絶対に呼びたくありません。というのも、『私が!私が!』と隙あらば、自分の話ばかりして周囲が興ざめしてしまうのが常なんです」(永田町関係者)
派手な動きは認知されているが、評価は「桂馬」止まりというわけか‥‥。
一方、大物政治家の格式は世襲されているようで、
「小渕優子選対委員長(50)は、小渕恵三元総理の娘だけに政財界に顔が利く1人です。ただし、〝ドリル事件〟が政治資金の問題が起こるたびに再燃してしまうのが玉に瑕。やはり、お飾りの〝金看板〟でしょうか。一方で、加藤鮎子こども政策担当相(45)は『顔じゃない』と評判はイマイチ。きちんと政策を理解しないうちにしゃべってしまうから頓珍漢な答えしか返ってきません。いずれにしても女性議員は40代までは〝アイドル〟。当選回数と年齢を重ねないと格は上がりません」(政治部デスク)
都知事選が終われば結局、「みどりのタヌキ」の一強が際立つのか‥‥。
*週刊アサヒ芸能6月27日号掲載