「横浜銀蝿」の再集結で知りたい「洋ラン」「ドカン」「赤テープ」の意味

 80年代に大人気を博したツッパリ4人組バンド「横浜銀蝿」が2020年に再集結すると報じられた。来年、横浜銀蝿はデビュー40周年を迎える。オリジナルメンバー4人が揃うのは解散以来初めてということで、大きな話題を呼びそうだ。

「横浜銀蝿はリーゼントに革ジャンのツッパリスタイルが注目されました。曲も不良を思わせるものが多く、『ツッパリHigh School Rock’n Roll (登校編)』や『ぶっちぎりRock’n Roll』で知られています」(芸能ライター)

 歌詞に「洋ラン」や「ドカン」など不良ファッションを表す単語が多数登場。それが当時の若者に大いに受けた。だが、現代の若者にしてみれば、何を示す言葉なのかまったくわからないだろう。

「『洋ラン』は変形学生服の一種です。当時、通常より丈が長い学生服が不良のマストアイテムでした。丈の長さによって『長ラン』『中ラン』と呼ばれます。洋ランはセンターかサイドにベントと呼ばれるスリットが入り、裏地がサテン生地で虎や龍などの刺繍が施されたもの。銀蝿が流行した頃は、学ランの丈が長いほどカッコいいとされましたが、後に丈の短い『短ラン』が登場し人気になりました」(前出・芸能ライター)

 いっぽうドカンは学生ズボンの一種だ。

「通常よりも太いズボンが流行し、さまざまな種類が登場しました。ドカンはズボンの裾とワタリの幅が同じで、ストンとしたシルエットのものです。ワタリよりも裾が細いものは一般的に『ボンタン』と呼ばれました。膝から下をよりスリムにしたものは『ボンスリ』、ニッカボッカーのようなデザインは『クジラ』という名前がつけられていました。呼び方は地域によって差があるようです」(前出・芸能ライター)

「ツッパリHigh School Rock’n Roll (登校編)」の歌詞にある「赤テープ同士」は不良のスタイルを表している。当時、学生カバンを改造し、薄くすることが流行った。さらに取っ手を細く長いものに付け替える改造も人気だった。その取っ手部分に赤いテープを巻くと「ケンカ買います」という意思表示になる。「赤テープ同士」とは、「ケンカ買います同士でケンカをする」という意味だ。

「青テープを巻く不良もいました。これは『ケンカ売ります』の意味です。地域によっては青テープではなく、白テープが『ケンカ売ります』を意味することもあったようです。『制服の第二ボタンを外している人は彼女募集中』とか、『セーラー服のスカーフを後ろ襟から出していると彼氏募集中』と同じようなサインですね」(前出・芸能ライター)

 横浜銀蝿の再集結で、当時の不良文化が見直される日が来るかもしれない。その時は洋ランやドカンが再びブームになるかも。

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