「日本の旅館を貶めるな!」ヒルトンホテルのPR動画が大炎上「品格を下げた」

 世界各国で500以上のホテル・リゾーツを展開する高級ホテルチェーン「ヒルトン」が、公式YouTubeチャンネルに投稿したPR動画「とまるところで、旅は変わる。予定でいっぱいの休暇篇」に対し《日本の旅館をバカにしている》と批判が殺到。これを受けて、現在、動画は非公開の状態となっている。

 問題の動画では、薄暗い旅館の受付で着物姿の女将が、「次にご入浴は5時から11時までになります」「ご夕食は6時ごろにお部屋にお持ちいたしますので必ず9時までに食べ終えてくださいませ」「朝食は7:00から10:00までラストオーダーは9:30」などと早口でまくし立て、それにカップルが困惑した表情を浮かべると「せっかくの休みなのにまったくゆっくりできないとき」とのナレーションが入る。

 続いて動画の後半では、スーツとドレスで着飾った先ほどのカップルがホテルの高層階で夜景を楽しんでいるところにホテルマンがやって来て、「お客様、ごゆっくりされるならディナーの時間をずらしますよ」と提案。カップルが笑顔でディナーを楽しむシーンに「とまるところで旅は変わる」というナレーションが入り、ヒルトンの高級ホテル「コンラッド」のロゴマークが出て動画は終わるという展開になっている。

「要するに、旅館よりも自分たちのホテルの方が優れているというアピール動画ですよね。海外ではライバルをディスるようなPRは珍しくありませんが、日本では一番嫌われると言っても過言ではない手法で、案の定批判が殺到してしまいました。ヒルトンによるとホスピタリティの高さをアピールしたかったそうですが、わざわざ旅館を貶めるような表現をする必要はなかったでしょう。

 ちなみに、この動画の後半で登場する『コンラッド大阪』のHPを確認すると、現在、レストランでのディナーの最終入店は一番遅くて20:30まで(ルームサービスでは一部メニューに限り24時間対応)となっていますし、プール・ジェットバス・サウナの利用は22:00までと記載されています。旅館と比較して圧倒的に自由度が高いかといえばそうでもなさそうで、このPR動画はむしろヒルトンの品格を下げるために制作されたのではないかと思わず疑いたくなりますね」(フリージャーナリスト)

 なお、ヒルトンはPR動画について謝罪しており、今後は再発防止に努めるという。

(小林洋三)

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