今世紀に入ってから上昇を続ける金相場。先月29日には国内小売価格が初めて1グラム1万円を突破。積み立てなど投資目的で金を保有していた人にとってはウハウハの状況だが、それ以外の人にもチャンスはある。
世界各地の産出地ではなんとかして金を手に入れようと多くの人が殺到。金鉱山は厳重に管理されて一般人の立ち入りはできないが、河川によっては砂金が採れるところもあり、日本にはそうした場所が数多く存在する。
「かつて金が産出された鉱山周辺の渓流などでは現在も微量ながら砂金が採れるところが多く、そうした場所は国内だけで100カ所は優に超えます。なかには体験料がかかりますが必要な道具を貸してくれて、スタッフのレクチャーを受けながら採集体験ができる観光スポットもあります」(鉱物鑑定士)
大阪在住の会社員Mさん(50歳)も最近になって砂金採集を始めたひとり。もともと趣味で渓流釣りをしていたので山奥に入ることに抵抗はなかったらしく、現在は月に1〜2回、各地で週末砂金ハンターをしているとか。
「かつて金鉱山があった場所は調べれば簡単に分かりますし、愛好家のSNSなどから得た情報などを参考にしつつポイントに目星をつけて回っています。ちなみに関西だと兵庫の加古川や京都の桂川、関東だと埼玉の荒川、茨城の久慈川などの上流が有名。加古川と荒川では実際に砂金をゲットしています」(Mさん)
ただし、注意しなければいけないのは手に入れた砂金を売りたい場合。天然の砂金は不純物が含まれ、精錬前のものだと多くの業者が買い取り不可にしているからだ。
「一部の業者は買い取ってくれるところもありますが、それでもある程度の量が必要。でも、ヤフオクやメルカリで鉱物標本として売買されていますし、それをアクセサリーに加工して付加価値をつけて売る方も多いようです」(鉱物鑑定士)
副業にするには厳しいが、小遣いの稼げる趣味としてなら楽しめる。この秋は行楽と実益を兼ねて砂金ハンターをしてみるのもアリかも。