2月5日、海賊版漫画サイト「漫画村」の創設者である星野ロミ氏が自身のツイッターを更新し、オンラインのプログラミングスクールを3月中旬頃に開始する予定であることを明らかにした。漫画村の技術を全て教えるといい、受講者が技術を悪用するのではないかと懸念する声も広がっている。
「同氏によると、プログラミングスクールは自己破産した人の氏名と住所を地図化した『破産者マップ』の創設者とタッグを組んで立ち上げるといいます。教えるプログラミング言語は一番需要があって初心者向けのもので調整しているそうで、中学生もしくは小学校高学年くらいからが受講の対象と説明。価格は月額2万円を予定しており、海外のサーバーを経由して特定を避けるノウハウも教え、超初心者でも5カ月で漫画村を作るレベルにさせると豪語しているのです」(ネットライター)
漫画村は漫画を無料で読むことができる違法な海賊版サイトで、2016年1月に開設されると月間アクセス数が1億に迫るなど大きな社会問題となった。18年4月にサイトに接続できなくなるブロッキング処理が行われ、福岡県警察が著作権法違反容疑で捜査を開始。19年7月に星野氏はフィリピンから強制送還され、同容疑で逮捕されている。
「星野氏は約3年の服役を経て昨年11月に仮釈放されました。その後はYouTubeチャンネルを開設し、『2ちゃんねる』の創設者で実業家の西村博之氏と対談をしたり、インターネット番組にコメンテーターとして出演するなどメディアにもたびたび登場しています。一部ネット上では彼を天才と称賛する声もあり、また自身のYouTubeでは漫画村で10億稼いだことを明らかにしたため、プログラミングスクールの受講者が星野氏を真似て漫画村のような海賊版サイトを立ち上げてしまう可能性もないとは言い切れません。実は漫画村が閉鎖されて以降も海賊版漫画サイトは増え続けていて、被害総額も増加の一途をたどっています。プログラミングの技術を教えるのは違法ではないのかもしれませんが、『5カ月で漫画村が作れる』といった煽り方をするのはさすがに問題ではないでしょうか」(フリージャーナリスト)
星野氏は現在、出版社大手3社から約19億3000万円の損害賠償を求めて提訴されている。プログラミングスクールの受講を希望する人には、そうした事実もしっかりと知っておいてもらいたいものだ。
(小林洋三)