日本シリーズでは惜しくもオリックスに敗れたが、2年連続でセ・リーグ制覇を果たした東京ヤクルト。だが、そんなお祝いのムードに水を差す出来事が、野球とは関係ないところで起きている。
クライマックスシリーズで阪神に3連勝してリーグ優勝を決めた10月14日からわずか3日後の17日、親会社のヤクルト本社は清涼飲料などのメーカー小売価格(税別)を11月から5〜10%値上げすることを発表した。
対象となったのは「ミルージュ(280ミリリットル)」(120円→130円)、「タフマン」(143円→153円)、「ヤクルト蕃爽麗茶(500ミリリットル)」(190円→200円)などの48品目。一方、看板商品の乳酸菌飲料の「ヤクルト1000」(130円)や「ヤクルト400」(80円)などは値段を据え置いている。
「他の飲料類や食料品同様、原材料費の仕入れ価格の上昇と輸送にかかる燃料費高騰の2つが大きな原因です」(流通ジャーナリスト)
リーグ優勝の余韻が冷めないうちの値上げ発表にネット上では、《優勝したのに値上げかい》やヤクルト製品に引っかけた《値上げに多不満(タフマン)!》など批判や皮肉コメントが殺到。また、なかには《村上の年俸分か》といった来季年俸の大幅増が確実視される若き三冠王に支払う分を捻出するためかと邪推する投稿も多く見られた。
「誤解されている方が多いですが、優勝セールはちゃんと行っています。セ・リーグ1位を決めた後の9月26〜30日に公式オンラインショップ『Yakult Wellness Online』ではすべての商品を優勝記念価格で販売。また、一部のヤクルト自販機では対象商品が安く購入でき、九州などにあるヤクルト傘下のホテルではお得な料金で泊まれる『優勝記念プラン』を提供していました」(同)
それでも商品値上げのインパクトの前には、黄金時代を築く最強ヤクルトも無力だったようだ。