今年4月に早稲田大学の社会人向け講座で牛丼チェーン「吉野家」の当時の常務取締役が「生娘をシャブ漬け戦略」などと発言した問題。受講生だった女性が吉野家ホールディングス(HD)と早大に抗議文と再発防止を求める2万9200人分の署名を送ったことを担当の弁護士が会見で明らかにしたが、ネット上では微妙な反応が少なくない。
「受講生だった女性は発言を聞いた瞬間に『怒りに震えた』といいますが、会場の雰囲気を乱してはいけないと声を上げなかったそうです。しかし、『早稲田大学で学ぶ学生や吉野家で働く従業員へのハラスメント被害の実態調査と、根本的な改善策の実施が必要』と思い直し、署名活動を開始したといいます。なお署名では、吉野家へは第三者委員会が実態調査を実施することやコンプライアンスルールを策定・公表すること、早大には教育機関としての認識を公表することなどを求めています」(週刊誌記者)
これにネット上では、《ここまでの要望は必要なのか疑問に思う。そう何度も掘り返して攻撃し続けてもキリがない》《正義を何か間違えているように感じる。もちろん、失言だし、問題視するのは、分からなくはないけど…》《講義における発言内容の評価はすでに出た。不快な思いをした人はいるだろうが、一個人の発言に過剰反応し「謝罪と再発防止を求める」ではコミュニケーションなどとれはしない》《失言は問題だし、傷ついた人もいるかもしれないが、今さらこれはさすがにやりすぎと感じる。これ以上はオーバーキルだ》などの声が数多く寄せられている。
「吉野HDは問題発言を受けてすぐに謝罪し、当時の常務取締役を解任しましたし、河村泰貴社長も株主総会という公の場で改めて謝罪しています。また、早大社会人教育事業室もウェブサイトにお詫びを掲載していますから、この騒動の禊は十分に済んでいると感じている人も多いのかもしれません。それにしても、受講生の抗議に2万9200人分の署名が集まるというのもすごいことですよね。それだけ、吉野家HDや早大の対応に納得がいっていない人がいるということなのでしょうが…」(フリージャーナリスト)
署名とネットで、こうも意見が割れるとは驚きだ。
(小林洋三)