5月27日に日米同時公開される映画「トップガン マーヴェリック」。トム・クルーズの出世作「トップガン」の36年ぶりの続編とあって話題性だけでなく作品の前評判も非常に高く、世界の映画ファンから注目を集めている。
前作は86年の世界興行成績1位となる映画史に残る名作。その影響からか80年代後半以降、同作の二番煎じのようなスカイアクション映画が多数制作されている。
例えば、主なところでは冷戦下の米ソが共同作戦を行う「メタル・ブルー」(カナダ・イスラエル88年)やチャーリー・シーン主演の「ホット・ショット」(米91年)、“フランス版トップガン”とも呼ばれる「ナイト・オブ・ザ・スカイ」(仏05年)、当時の最新鋭戦闘機による極秘作戦を描いた「ステルス」(米05年)など。日本でも90年に織田裕二が航空自衛隊のF-15Jイーグルのパイロットを演じた「BEST GUY」が公開されている。
「第二次世界大戦を舞台にした作品も含めると、激しいドッグファイトを描いた映画は相当な数に上ります。トップガン以降、類似作品が増えたのは事実ですが、そもそもハリウッドでは80年代に入ってから航空アクション映画自体がブームになっていました。トップガンの4カ月前に公開された『アイアン・イーグル』(米86年)も撮影時期はほぼ同じ。興行成績的には大きく引き離されてしまったものの、こちらも十分成功したと言える数字を残しています」(映画ライター)
つまり、一歩間違えばトップガンが別の作品のパクリ映画と評価されていた可能性もあったというわけだ。
「大ヒットを記録した作品を模倣するのは、昔からよくあること。『スターウォーズ』や『ランボー』などがいい例で、どちらも宇宙モノや戦場アクション系の映画が後に多数生まれるきっかけとなってます」(同)
満を持して登場する今回の続編。本家の名にふさわしい大ヒットを期待したいものだ。