狙い通りに動かせるか?日ハム・吉田輝星のフォークボールと縦列駐車

 新庄チルドレンとして、大きな飛躍を遂げそうだ。今季4年目、背番号「18」の吉田輝星投手だ。

「春季キャンプの一、二軍の選手振り分けが発表され(1月20日)、吉田は昨年に続き、一軍スタートとなった。昨季は不甲斐ないシーズンとなっただけに今年にかける思いは強いはず。新庄剛志監督もかなり期待していると思います」(地元メディア)

 二軍で再調整していた昨季中盤以降のことだ。イースタン・リーグの各対戦チームの首脳陣は「どうして、吉田を一軍に上げないの?」と質問していたという。

「吉田は入団以来、一軍と二軍を行ったり来たりしていました。今度、一軍に昇格させるときは『二度と二軍降格にならないように』とし、あえて昨季は一軍に昇格させなかったんです」(球界関係者)

 理由は簡単だ。将来のエース候補である。「再スタートを切るときは、良い形で」と日本ハム首脳陣がガマンしたのである。当然、その報告は昨年11月の秋季キャンプ時点で新庄監督に届いていた。

 新庄監督は、2022年ペナントレースの先発ローテーション候補である吉田の投球練習を食い入るように見ていた。しかし、

「緊張したみたいですね。新庄監督に見られていることよりも、マスコミが追う新庄監督の目線の先に自分がいるということに緊張し、気疲れしてしまったようです」(同前)

 夏の甲子園大会を沸かせた元準優勝投手とは思えない“チキンぶり”だが、投球スタイルに関してはかなりの成長を遂げている。昨季の二軍戦では「初回はストレートのみ」と決め、力勝負を挑んでいた。2回以降は右打者と左打者で握り方を変えるフォークボールを操っていた。そのフォークボールは上沢直之からアドバイスを受けたもので、対戦チームが「なせ昇格させないのか?」と聞き始めたシーズン中盤以降では、狙ったところに落とせるようになったという。

「オフは自動車教習所に通っていました。19日に試験に合格したようですが、当初は縦列駐車で苦戦していたといいます」(前出・地元メディア)

 ハンドル操作もフォークボール同様、狙い通り、ピタリと行けば…。吉田が開幕ローテーションを狙ってくる。

(スポーツライター・飯山満)

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