「五輪マフィア」のむさぼり実態を憤怒告発(3)ワクチン業務に五輪企業の怪

 政治部記者によれば、

「パソナグループの昨年5月期の純利益は5億9400万円、ところが今年4月に同社が発表した利益予想額は62億円。実に、純利益10倍増となるウハウハぶりが見込まれているのです。パソナといえば元総務大臣の竹中平蔵氏(70)が取締役会長を務めていることで知られています。同じく総務省出身の菅義偉総理(72)とも関係が深いだけに、ズブズブの五輪利権を指摘する声も多い」

 もっとも、増益の要因は五輪に限らないようで、

「パソナは昨年の持続化給付金の際にも事業参加していました。コロナ関係での突発的な事業を請け負い、儲けているのです」(本間氏)

 一方、東京五輪の海外一般客の受け入れ中止で大きなダメージを負ったのが旅行業界。昨年、自民党の二階俊博幹事長(82)肝いりで進められたGoToキャンペーンは不発に終わったが、

「その穴埋めではないかと指摘されているのが、大規模ワクチン接種関連の委託業務。日本旅行は防衛省が担当している大規模ワクチン会場の受付・案内を、約20億円で受注しています。もちろん、旅行業者の持っている予約のノウハウを活用できるとはいえ、政治的救済であるのは明らかです」(アマ担当デスク)

 政府が主張する「安全な五輪」のためにはワクチン接種の拡充が必須だが、東京会場の日本旅行にしても、大阪会場の業務を約10億円で請け負う東武トップツアーズにしても、五輪のオフィシャルパートナーであることを付け加えておこう。

 五輪スポンサーだけが恩恵にあずかる一方で、こうした独占商法が皮肉な結果をもたらしている。

「ネットでは『国際スポーツイベントのPCセットアップやトラブル対応業務 時給1750円~』などの求人が出ています。『オリンピック』と銘打たない〝闇バイト〟での募集となっているのは、人材派遣業務がパソナだけに認められているため、他の派遣会社はオリンピックの名前を使うことができないからです」(本間氏)

 コロナ禍に加え、組織委員会前会長の森喜朗氏(83)の女性蔑視発言以来、8万人の登録があったボランティアのうちすでに1万人が辞退している。

「人材が足りず、パソナ以外のあらゆる派遣会社が募集を行っている。中には『国際スポーツイベントのボランティア誘導案内業務 時給1600円』というものもあり、同じような業務を行う人間でもかたや有償、かたや交通費分のQUOカード1000円分1枚という格差が出てきてしまう。今後もボランティアを辞退する動きは止まらないのではないでしょうか」(本間氏)

 18年の平昌冬季五輪では待遇に不満を持つ2000人のボランティアがボイコット騒動を起こした。東京五輪で無給ボランティアが怒りの一斉蜂起に出る可能性は否定できない。

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