成功者はクロちゃんだけ! 芸人のアイドルプロデュースは黒歴史ばかり

 大人気とまではいかないが、女性アイドルグループ「豆柴の大群」が人気を得ている。TBS系バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」のアイドルオーディション企画「MONSTER IDOL」から生まれた5人組。プロデューサーは女性アイドルオタクで有名な安田大サーカス・クロちゃんで、BiSHを擁する芸能事務所・WACKと手を組んだ。

 クロちゃんとWACK、人気番組の化学反応で「豆柴」は命脈を保っているが、振り返ると、お笑い芸人とアイドルプロデュースは相性が悪い。ほぼ解散の末路を辿っているからだ。

 クロちゃんの事務所(松竹芸能)の先輩にあたるよゐこ・濱口優もしかり。濱口は19年に、愛知県発の「PIDL☆未来stage」を手がけたが、昨年のコロナ禍で活動休止に陥った。現在は、派生ユニット「VeryMerry」がトリオで活動している。

 芸人仲間から一目置かれる存在のバカリズムでさえ、かつてはアイドルグループを終わらせている。06年からおよそ9年間にわたって放送された「アイドリング!!!」(フジテレビ系)でMCを務めたが、番組と同名グループはレギュラー放送終了後に解散。あまたの卒業生で売れたのは菊地亜美と朝日奈央ぐらいだ。

 ロンドンブーツ1号2号の田村淳も、アイドルプロデューサーとしては結果を残せていない。

「ツイッター発で罵られるアイドル『スルースキルズ』を生みだしました。しかし、17年におよそ4年間の活動にピリオドを打っています。一方、髭男爵・山田ルイ53世は、男爵の娘というキャラで『まどもあ54世』を手掛けましたが、話題にさえならず、16年11月にひっそり解散しました」(アイドル誌ライター)

 オアシズ・大久保佳代子は、「借金をしている女性限定」というコンセプトで誕生した「ザ・マーガリンズ」のゼネラルマネジャーだった。しかし、「劇団マーガリンズ」に改名後に手を引き、16年に解散した。

「はなわは、06年に『はなわレコード“中野腐女子シスターズ”』(ShowTime×GYAO)から誕生したオタク女子による集団『中野腐女子シスターズ』を売り出しました。いちばん売れたのは、“健康オタク”のスザンヌ。グループは2度の改名を経て、はなわは19年いっぱいでプロデューサーを卒業しました」(前出・アイドル誌ライター)

 はなわはおよそ13年間もアイドルに携わっており、おそらく芸人史上最長だ。対して最短だったのは、「間違いない!」のフレーズでかつて人気を集めたピン芸人の長井秀和。17年8月に「ロイヤルストレートフラッシュ」というグループを初プロデュースしたが、翌18年2月に消滅。わずか半年という超スピード解散だった。

 バカリズムや淳、大久保といったキレ者タレントでさえ苦戦するアイドルプロデュース。クロちゃんには粘ってほしい。

(北村ともこ)

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