4月9日、チケット販売大手の「ぴあ」は、「チケット販売方法の多様化に伴い、来る6月末日をもってチケットぴあ店舗(「ぴあステーション」「チケットぴあスポット」)の運営をすべて終了する」と発表。今後はネット販売が中心になるというが、これに不満の声も少なくないようだ。
「ぴあ店舗はチケットぴあが誕生した1984年にオープンし、最盛期の99年には全国に611店舗を構えていました。しかし、ネット販売やコンビニ端末での販売が主流になると店舗数は6分の1程度まで減少、さらに新型コロナウイルスによって演劇やコンサートの自粛が続いたことで、現在では77店舗になっていたのです」(エンタメ誌ライター)
ぴあによれば、現在はECサイトでの販売が大半を占めるようになり、チケットぴあ店舗は「その役目を十分に果たした」と終了を決めたというが、ネット上では《ネット販売って人気のチケットだとアクセスが集中してフリーズするからなぁ》《ネットの先行予約は便利だけど手数料やらシステム利用料と費用がかさむのがツラい》《直に並んで苦労してチケットを手に入れるのもけっこう楽しかったんだけどな》など、ネット販売への完全移行に対する不満の声も噴出している。
「指摘されるとおり、ネットのチケット販売は人気イベントでは特に、購入できるかどうか運任せになることが多い。しかし、店舗であれば早くから並べば購入できる確率も高まるため、販売前日の夜から長蛇の列が出来ることもありました。それが辛くもあり、いい思い出にもなりますからね」(前出・エンタメ誌ライター)
これからはクリックひとつ、タップひとつで注文することになるが、便利ではあるものの寂しさを覚える人も少なくないのかもしれない。
(小林洋三)