横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督の退任が正式に発表された。首位巨人が勝利し、自力優勝の可能性が完全消滅した10月23日、ラミレス監督は「責任を取らないといけないと思い、昨日、三原(一晃)代表に話して、辞任することを伝えました」とその経緯も打ち明けた。
この時点で、三浦大輔二軍監督の昇格を“断定形”で報じるメディアもあれば、現役時代にともにプレーした仁志敏久氏の二軍監督就任も伝えられていた。ラミレス監督は「22日深夜に球団代表に相談して」と語っていたが、水面下では着々と新体制の準備を進めていたのだろう。
しかし、その一方でラミレス監督の退任を惜しむ声も広まっていた。
「2018年オフ、オリックスは福良淳一監督(現GM)が退く際、後任候補にラミレス監督も挙がっていました。当時のラミレス監督はオリックスの巡回アドバイザーの肩書で、球団は『コーチを経てからの監督就任』を勧めたんですが、本人は『監督でなければダメ』と頑なに固辞しました。ラミレス采配を評価する球団は少なくありません」(球界関係者)
そのオリックスだが、中嶋聡監督代行の昇格は間違いない。成績不振に終わったヤクルト、日本ハムは指揮官の続投を発表しており、終盤に失速した楽天、千葉ロッテも監督交代のキナ臭い話はこの段階でまだ出ていない。ラミレス監督が来季から他球団を指揮する“横滑り”はなさそうだが、こんな声も聞かれた。
「ラミレス監督は『デー・バイ・デーベースボール』を掲げ、日々柔軟に対応してきました。エース今永の故障離脱、クローザー山崎の不振が重なったのに、Aクラス争いを繰り広げています。球場ごとに選手の相性を調べ直し、救援投手の登板を決めるなど独特の感性も持っています」(前出・球界関係者)
オリックスではコーチ就任を断ったが、“再登板”のためにも、柔軟に対応するのではないかという見方も広まっていた。
「チーム再建のため、ワンポイントで外様監督を迎える球団も過去にたくさんありました」(前出・球界関係者)
DeNAはフロント職を用意するという。これも見方を変えれば、 他球団にラミレス采配を流出させたくないからだろう。
(スポーツライター・飯山満)