ショーパブのアルバイトでエンターテインメントの世界にふれて、芸能界転身後に成功を収めるタレントは少なくない。昨年から今年にかけて引く手あまたのものまね芸人・りんごちゃんもそんなひとりだ。
深夜のバラエティ「ウチのガヤがすみません!」(日本テレビ系)への出演を機に、シンデレラロードを歩んだりんごちゃん。見た目と異なるオトコの声で武田鉄矢やHOUND DOGの大友康平をマネる芸風は、斬新かつ驚愕だ。歌を披露する前に発する「スターティン」という音頭とあわせて、ものまね界のニューカマーは幅広い層に支持された。そんな“彼女”は、ニューハーフショークラブの出身だ。
「『性別を超越したところにいるのがりんごちゃん』なので、深掘りすることは厳禁ですが、東京でも高級クラブがひしめくことで有名な銀座8丁目にある『Corvette.』出身で、ショーダンサーだったことを本人も認めています。SNSでは、さまざまなコスプレ、ダンス、ものまねを披露している様子が残されています。当時は、ポッチャリ系“女”担当でした」(芸能関係者)
ニューハーフショーパブ出身の大人気タレントといえば、はるな愛。大阪出身のはるなは、素人時代から化粧をしてバラエティ番組に出演しており、高校中退後はミナミ(心斎橋)にあるニューハーフショーパブ「冗談酒場」でアルバイトをしていたという。のちに、キタ(梅田)の「Tootsie」に移籍。当時はまだ希少だったニューハーフアイドルの先駆けとして、テレビやラジオ、雑誌などに出て、広告塔となった。はるなもりんごちゃんと同じく、胸のサイズは「カップ」ではなく体積を表す「CC」だ。
他にもショーパブ出身のタレントは多い。
「とんねるずは東京・赤坂の高級レストランシアター『コルドンブルー』で、レビューの合間のコメディタイムでステージに立っていました。清水アキラ、シティボーイズはバイト仲間です。絢爛豪華なレビューが最大の売りだったその店のステージには、前田美波里や夏木マリ、プリンセス天功などが立っています」(前出・芸能関係者)
ヒロミはB21スペシャルのトリオ芸人時代、六本木にあった伝説のショーパブ「バナナパワー」で働きながら、笑いの腕を磨いた。ここで業界関係者の目に止まり、芸能界デビューのチャンスをつかんだ。当時のバイト仲間は、ダチョウ倶楽部だ。
芸人なら避けて通れない客イジリ。その経験を積むには、ショーパブが最適なのかもしれない。現在、ショーパブやものまねパブがある繁華街は“夜の街”の風評もあって逆風が吹き荒れている。それでも、りんごちゃんに続けとばかりに、ものまねパブで働く“売れっ子予備軍”は、世に出るチャンスを虎視眈々と狙っているとか。
(北村ともこ)