11月28日から12月5日までの1週間で関東地方を震源とした震度1以上の地震が16回、うち茨城県や栃木県では12月3日、4日の2日間で震度3以上の地震が5回発生するなど、“今後30年以内の発生率が70%”とされる首都直下型巨大地震を警戒させるような揺れが続く昨今。
東京都が2012年に出した首都直下地震の被害想定によると、自宅が倒壊、焼失し、避難所での生活を余儀なくされる人は23区内で約220万人。万が一、これから迎える冬本番の季節でそうした事態になった場合、避難先では何に注意しなければならないのか。
まず懸念されるのが、避難所でのインフルエンザの広がりだ。
「狭い空間で多くの人が共同生活をするため、とにかく感染しやすい状況になることが予想されます。特に今年は、例年より1カ月流行の時期が早まっていますからね」(医療ライター)
自分自身でできる予防対策は、やはりマスクを常時着用してウイルスの侵入をブロックする。水があれば手洗い、うがいをこまめに行うしかない。
「また、唾液にはIgA(免疫抗体)など抗菌・抗ウイルス物質が多く含まれる。そのため、食事が支給された際には、よく噛んで唾液の分泌をよくし、食事以外のときも唾液の分泌を促進する飴やガムなどを口に含むとよいでしょう」(医療関係者)
冬場には心筋梗塞も心配されるという。
「災害時こそ睡眠が大切になってきます。避難所によっては夜間消灯しない場合もあることから、アイマスクや耳栓、振動防止のマットレスなどを用意しておき、いざ避難となったら、6時間以上の睡眠をとるように心がけること。さらに、1日20分以上の歩行をすることも、心筋梗塞防止に必要です」(医療関係者)
この機会に一度、シミュレーションしておくべきだろう。
(蓮見茂)