福島第一原発事故事業で裏金作り!飲み食いに流用したゼネコンに重加算税

 11月23日、準大手ゼネコンの「安藤ハザマ」が東京国税局の税務調査を受け、18年3月期までの5年間で約2億5000万円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。社員が下請け業者に架空請求を指示するなど裏金作りをしていたことも明らかとなり、悪質な手口に批判が殺到している。
 
「関係者によれば、同社の東北支店の社員およそ20人が、福島第一原発事故の除染事業や土木関連工事等で下請け会社に架空や水増し発注を行い、代金を振り込んで現金をキックバックさせるなどして裏金を捻出し、取引先の接待や私的な飲食などに流用していたといいます」(社会部記者)

 なお、他の経理ミスなどと合わせた申告漏れは約3億円にのぼり、安藤ハザマには重加算税などを含めて1億数千万円の追徴税が課せられ、すでに修正申告を済ませているとみられている。
 
 福島第一原発事故を利用した悪質な裏金工作にネット上では、《事故で汚染されて困っている人たちがいるのに、架空請求で金を搾取して、飲み食いに使ったとは言語道断》《確か、前にも福島第一原発事故を使った領収書の改ざんしてたよな。何で業務停止にならないのか》《追徴税を支払えばそれで許されるなんてどうかしてる》など厳しい意見が相次いでいる。
 
「安藤ハザマは17年にも社員が福島第一原発事故をめぐって、作業員の宿泊人数や宿泊単価を改ざんした領収書を作成し、8000万円を超える除染費を不正に取得していたと報じられていました。当時は社内調査チームを立ち上げ精査すると発表していましたが、今回の国税局の調査では18年3月期まで所得隠しをしていたことが明らかになっているため、17年の報道以降も引き続き裏金作りをしていたということ。福島第一原発事故による除染事業には巨額の予算が計上されていますが、準大手ゼネコンがそれを食い物にしていたとは…とうてい許される話ではありません」(経済ジャーナリスト)
 
 これではもう、そういう社風としか言いようがない。

(鈴木十朗)

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