日本郵便株式会社の公式Xが3月5日、自社のプロモーション動画を投稿したが、動画の内容に対し《女性客をバカにしている》《防犯のための行為を茶化している》などの批判コメントがあがり物議を醸している。同投稿には「絶対にすっぴんを見られたくない女VSなんとかサインをもらわなければいけない配達員」というコメントが添えられており、宅配先の女性客と配達員が玄関ドアを挟んで問答する様子が描かれた動画となっているのだが…。
「動画に登場する女性は、“すっぴんを配達員に見られたくない”という理由で、玄関ドアをわずかに開けて対応。段ボールの小包をマジックハンドで受け取ろうとするなど、配達員との気まずいやり取りが、皮肉交じりにコメディドラマ化されています。約2分間のこの動画では、女性がすっぴんを見せずに荷物を受け取ろうと試行錯誤を試みる様子が描かれるのですが、2人の応酬は動画のラストに向けてだんだんとヒートアップ。女性は、配達員に背を向いて待つように指示をしつつも、『イヤーっ!信じられない!私スッピンなんですよ!』と、ヒステリー気味に叫んだり、ついにはスッピンを見られてしまい『嘘つき!!!』と激怒するなど、女性の過剰な反応にスポットを当てたような演出が目立ちます。怒った女性は最後に玄関ドアを閉めてしまいますが、サインをした伝票をマジックハンドでぶっきらぼうに渡すというオチがついています」(ウェブ情報誌ライター)
一連のやり取りの最中、配達員役の男性は、待ちくたびれて貧乏ゆすりをしたり、呆れた表情で時計を見る仕草をするなど、お互いにとって不毛な時間であることが強調されているが、オチのシーンでは、「2024年10月以降、一部のサービスを除き、ゆうパックのお渡し時に受領印・サインを省略します」というテロップが差し込まれており、面倒な玄関先でのやり取りを省略できるようになったというPR内容を、面白おかしく表現したものだと受け取れる。
当該ポストには《これマジでたまにいるけど営業妨害。テメェのすっぴんなんてどうでもいい》《リアルでいるからほんと腹立つよ》《こんなことで時間とられる配達員さんやってられないね》など、共感の声や配達員を労うコメントもあるが、それ以上に女性ユーザーからの批判コメントが殺到している。特に、配達員を装った犯罪を警戒するために、玄関ドアを不用意に全開にしないようにすることは昨今では当たり前の防犯対策の一つとされているため、《郵便配達員が女性客にわいせつしようとして逮捕された事例もあるんだし、ドアを少ししか開けないことを茶化すのは良くない》《過剰に警戒する女をネタに揶揄するなんて公式なのに酷すぎる》といった女性ユーザーからの怒りの声が散見される。
この動画はSNS総フォロワー数300万人を超えるクリエイター集団「こねこフィルム」と日本郵便のコラボ企画で作られたもので、昨年10月にTikTokにて初投稿されたものだ。当時はそこまで話題にならなかったようだが、公式Xが再度投稿したことにより炎上中。企画段階や動画の制作過程、さらに再アップに至るまでの間に、女性ユーザーの反感を買う内容であることに気が付けなかったのだろうか。
(浜野ふみ)