全国に約1万8000店あると言われる焼肉店。日本人なら誰もが好きな寿司やラーメン、カレーと並ぶ、国民食のひとつだ。なかでも東京・上野や大阪・鶴橋は数多くの焼肉店が集まるエリアとして知られているが、人口ベースで焼肉店が多い地域を調べてみると意外な地域が上位を連ねることがわかった。
南信州畜産物ブランド推進協議会が2021年に発表したデータよると、人口1万人あたりの焼肉店が多い自治体ベスト5は、1位が長野県飯田市の5.26店、2位が沖縄県石垣市の5.02店、3位が北海道北見市の4.80店、4位は北海道滝川市の4.01店、5位は高知県宿毛市の3.96店という結果に。全国平均(約1.5店)と比べても突出して多いが、焼肉のメッカと言われてもピンと来ない人が多いはずだ。
それでも飯田市は「南信州牛」というブランド牛のほか、サフォーク種という羊肉の産地。北海道のようにジンギスカンやラムしゃぶが名物料理だ。また、石垣島にも全国的に有名な「石垣牛」、北見市にも「北見牛」というブランド牛が存在する。
滝川市もジンギスカン発祥の街で、札幌や首都圏にも進出する人気店「松尾ジンギスカン」の本店もある。宿毛市は港町だが、鉄板の上で大量の野菜と肉を炒める「天下茶屋」の焼肉定食が地元のソウルフードになっており、130キロ以上離れた高知市や県外から食べに訪れる人が後を絶たないという。
「いずれも地方なので都市部にある焼肉店に比べると価格的にもリーズナブル。特に北見市では、市内の焼肉店で500~1000円分お得に食べられる『ミートクーポン』(2500円)を地元のホテルで販売しており、旅行客や出張客に人気です」(飲食業界誌編集者)
いずれも旅行先としても人気のエリア。焼肉好きにはオスメメかもしれない。
※写真は炭火七輪で焼く北見式の焼肉