「丸亀市にもある」「実家ですから」はなまるうどんの店内ポップが物議

 讃岐うどんの本場、香川県高松市で創業したセルフ式讃岐うどんのチェーン店「はままるうどん」が、ライバル店の「丸亀製麺」をディスっているのではないかと物議をかもしている。

 ことの発端はX上にアップされた1枚の写真だった。そこには「香川に14店舗。実家ですから。」「丸亀市にもある、本物の讃岐うどんです。」などと描かれた店内ポップが。投稿者は「絶対詐称チェーンを意識しているよねこれ」としているように、ライバル店である丸亀製麺への対抗メッセージと見られている。

 それもそのはず、丸亀製麺は店名にこそ「丸亀」とあるが、実際は香川県丸亀市発祥の企業ではなく、同地に店舗も存在しないのだ。経営するトリドールホールディングスは東京都渋谷区に本社を置き、他にも釜飯と焼き鳥の「とりどーる」などを展開している。

 SNS上では「讃岐うどんの定義って一体なんなのだろうか」「完全に丸亀を煽りに来てるな」「マクドナルドを煽るバーガーキングみたいなものか」などと反響を呼んでいる。また一方では「でも吉野家に嫁入りしちゃったよね」との鋭い指摘も散見される。フードライターが語る。

「最初に丸亀製麺が香川県丸亀市と関係がないことがわかり、炎上を招いたのは2019年のことでした。もっとも丸亀製麺の新入社員研修は、かならず丸亀市内のうどん店を巡るなど、まったく関係がないわけではありません。はなまるうどんの店舗数は一時500店舗を突破しましたが、今年2月時点で418店舗に減少。売上げも減少しています。一方の丸亀製麺は9月末の時点で851店舗。国外を入れると約1100店舗にも上り、売上げも右肩上がりです。今回、はなまるうどんが讃岐うどんの『本家』であることをあらためて主張していたわけですが、事業規模ではすでに大きく水を空けられているのが現状です」

 うどん好きの中には「冷たい麺ははなまるが好きだけど、釜揚げは丸亀の方が美味い」などと、メニューによって店を使い分けている人も少なくないという。創業地をアピールするのもひとつの手段ではあるが、すでにはなまるうどんは、吉野家ホールディングスの完全子会社になっている。

 多くの消費者は、むしろ味で勝負して欲しいと思っているのではないだろうか。

(ケン高田)

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