「座席前ポケットはダメ」急増する飛行機内の窃盗対策を元客室乗務員がアドバイス

 11月22日、成田空港では客室乗務員が空港警察署の1日署長を務め、急増している航空機内の窃盗被害の注意喚起を行った。

 成田空港署によると、今年1月から10月の同空港に発着する航空機内で発生した窃盗事件は39件。これは昨年同時期の被害件数(20件)のほぼ倍。9月には機内での窃盗容疑で中国籍の男が逮捕されている。

 例えば、貴重品を収納棚や座席前ポケットに入れておく乗客がいるが、「絶対にやめてほしい」とは元客室乗務員の女性。マレーシア・クアラルンプール国際空港では、離陸前の機内で収納棚を次々と物色する中国人男性が地上職員に連れ出される一部始終の様子を、別の乗客がSNSに投稿。犯行の決定的瞬間を捉えた貴重な映像となり、ネット上で拡散された。

「この事件は離陸前で機内が明るかったため犯行に気づきましたが、国際線のフライト中は消灯時間があるため、その時間帯にやられると気づかない可能性があります。そのため、財布やパスポートは、できれば財布は肌身離さず持っておくべきです」(元客室乗務員)

 バッグやポーチに入れている人もいるが、注意しなければならないのは、トイレの際に座席に置いたままにしてしまうこと。乗務中にもよく見かけたという。

「長時間のフライトだと注意力が散漫になりますし、寝起きで半分寝ぼけている状態で座席置き忘れることもあります。例えば、首からぶら下げるタイプの貴重品入れ、またはボディバックなら常に身につけておけます」(同)

 ポケットに入れておいてもいいが、ズボンのお尻のポケットに入れるのは避けたほうがいい。座っているうちにポケットからずり落ちるケースもあるからだ。

「ウォレットチェーンを付けていればいいてまずが、そうでないなら前ポケットに入れましょう。後ろだと現地到着後もスリやひったくりに狙われやすいです」(同)

 もし被害に遭ってしまっても乗客全員を検査するわけにもいかないため、未然に防ぐことが重要。年末年始を海外で過ごす方は、くれぐれも気をつけてほしい。

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