北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督の来季続投が決定した。当初、栗山監督はチーム低迷の責任を取るとされていたが、球団が慰留。育成に定評があるからで、栗山監督の続投発表には「佐々木朗希の1位入札」の強い思いも込められていたようだ。
もっとも、ドラフト会議(10月17日)での佐々木の指名重複は必至。獲得に失敗した場合、「強化指定選手」も当然変わってくる。そのトバッチリを食いそうなのが、清宮幸太郎と主砲・中田翔の2人だ。
「昨季後半、他コーチが清宮の二軍降格を進言していました。栗山監督は一軍レベルの投手と対戦させるとし、それを聞き入れませんでした。そればかりか、ほぼ毎日、早出特打ちを義務づけた。試合前は、清宮に対して『特打ちに付き合う打撃コーチに感謝しているのか?』とお説教をしていました」(球界関係者)
清宮のレギュラー定着のための強化策が加速されそうだが、しかし、その清宮とポジションがかぶるのが、中田だ。
中田は2018年に海外FA権も取得したが、行使せずに残留した。19年から「3年10億円」の契約を交わしているが、今秋のキャンプ以降、清宮の成長が加速すれば、中田の出場機会にも大きく影響するだろう。
「清宮に外野を守らせるとしても他選手と重複するし、指名打者は腰に爆弾を抱えている近藤か、外国人選手を使いたいところ」(スポーツ紙記者)
やはり、一塁と指名打者のポジションで重複する中田と清宮の扱い方について“結論”を出すときが来たのかもしれない。20歳の清宮と来季31歳の中田では、どちらを選ぶか、言うまでもないだろう。
「中田を放出するとなれば、筒香のメジャー挑戦で主砲を失いそうなDeNA、毎年、外国人選手に泣かされている阪神。ソフトバンクも来季、内川が38歳になるので、興味を持つでしょう」(同前)
クライマックスシリーズのファーストステージを戦ったDeNAと阪神が、今オフに「中田争奪戦」という“裏CS”を展開するのかもしれない。
さらに日ハムでは、今季国内FA権を取得した遊撃手・中島卓也の去就にも注目されている。いずれにせよ、栗山監督の続投はチームの世代交代を大きく加速させそうだ。
(スポーツライター・飯山満)