テレビ朝日が1月8日、アメリカの人気ドラマ「24 TWENTY FOUR」(FOX)を日本版にリメイクすることを発表。同局の開局60周年記念番組として2020年の放送を予定しているという。
「24」といえば、キーファー・サザーランド演じる凄腕捜査官ジャック・バウアーが凶悪なテロリストを相手に奮闘する24時間の出来事を、1話1時間の全24話という構成で完結させるリアルタイムサスペンス巨編だ。2001年にアメリカでシーズン1が放送をスタートさせると、日本国内でも大ヒットし、以降の“海外ドラマブーム”を巻き起こしたキッカケとなった人気作品である。
本家の「24」シーズン1のベースは、米国史上初の黒人大統領誕生までの軌跡を描くものだが、テレビ朝日はこれを“日本初の女性総理誕生までの24時間”にアレンジするなど、日米間の様々な事情の差異を考慮した上で視聴者が観やすいような“日本版24”の製作にトライすることになるようだ。
「話題性は抜群といった今回の『24』リメイクの発表ですが、やはり本家のファンからすると、同作の中で繰り広げられるテロリストグループとのド派手な銃撃戦やカーチェイス、爆破シーン、さらにはジャックの冷酷なまでの拷問シーンがどこまで再現されるのか、という点は不安材料になり得るでしょう。アメリカ国民には、常に世界中のテロによる脅威と隣り合わせにあるという意識が根付いており、ジャックのやり過ぎとも思える手段を選ばない強引な捜査がエンターテインメントとして成立しますが、コンプライアンス重視の日本では事情があまりにも異なりますからね。また、『24』の醍醐味でもある24時間のストーリーを24話に分割している点も踏襲するのであれば、1クールで約11話編成の国内では2クールにまたがって放送しなければなりません。その辺りを全てクリアして初めて本当の意味で『24』をリメイクしたと言えるのでは」(テレビ誌ライター)
ネット上では早くも「24 JAPAN」に対する懸念が渦巻いており、「24の世界観は日本に合わない」「製作費が高すぎて大赤字になるぞ」「ジャックだからこそ成立する訳であって、邦人俳優では無理だと思う」という声から、「アメリカにはアメリカの良さがあって、日本には日本の良さがあるんだから、こういうのやめた方が良い」など、そもそも海外の人気ドラマを輸入して日本版のリメイクを製作することへの疑問を投げかける指摘も見受けられる。
「昨年末には同じくアメリカの人気ドラマ『SUITS/スーツ』をフジテレビが織田裕二主演でリメイクしたものの、前評判の割には視聴率が振るわなかったことが記憶に新しいですよね。看板だけ借りてきて、“日本のテレビサイズに収めました”というのでは嘲笑の対象になるのは目に見えています。24話放送できずに打ち切りなどという悲しい結果にならないか心配ですね」(前出・テレビ誌ライター)
テレビ朝日の開局60周年記念が”黒歴史”とならないよう祈りたいところだが…。
(木村慎吾)