宿泊代も同時値上げ!?全国の自治体が続々導入する「宿泊税」に利用客が大困惑

 ホテルや旅館などの宿泊施設の利用者に対し、1泊いくらという形で課せられる宿泊税。日本だけでなく、海外でもフランス、スペイン、イタリアなど西欧諸国や、UAEやモロッコ、サウジアラビア、マレーシアなどのイスラム圏のほか、米国でもハワイやニューヨーク、ロセンゼルスなど多くの地域で導入されている。

 日本では東京都や大阪府をはじめ、京都市や金沢市、福岡市と北九州市を除く福岡県全域、長崎市、北海道の倶知安町(くっちゃんちょう)の9自治体で導入済みだ。課税額は一律型と宿泊額に応じて変動する2つのタイプがあり、いずれも1泊数百円以内に設定されている。

 また、北海道では冬のスキーシーズンに合わせ、倶知安町に隣接するニセコ町が、11月から宿泊税を導入すると発表している。額は1泊の宿泊費が2万円以上5万円未満は500円、5万円以上10万円未満は1000円、10万円以上は2000円で、他の自治体と比べると高額だ。

「北海道では札幌をはじめとした約15の自治体が導入に向けた協議を進めています。道全体でも7月の予算特別委員会で鈴木直道知事が26年4月から導入する方針を明かしていますね」(旅行誌編集者)

 同様の動きは各地で見られ、日本全体では100を超す自治体が導入を検討中だ。しかも、宿泊税は旅行者以外の出張のビジネス客などにも等しく課せられるため、利用者にとっては事実上の値上げと変わらないとも言われている。

「懸念されているのは、宿泊税の導入とともに課税額分以上の『値上げ』を実施するホテルが増えることなんです。すでに宿泊税が導入されている地域でも、明細をよく見ると、税額以上に料金の総額が高くなっていたホテルも多く、今後は各地で同様の事態が起こることが予想されています」(前出・編集者)

 便乗値上げ、とまでは言い切れないだろうが、利用客にとってはなんともすっきりしない料金になる可能性が出てきそうなのだ。

*画像は、大阪府が17年に宿泊税を導入した際の告知用ポスター

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