勝浦は都心より2~3℃低い「首都圏の避暑地」が千葉県の太平洋側に多いワケ

 7月下旬からお盆にかけての時期は、日本は1年でもっとも暑い。だから少しでも涼しい場所で過ごそうと北海道や、高原リゾートとして人気の軽井沢や上高地などに連日大勢の観光客が訪れる。だが、首都圏にもそこまで気温が上がらない“穴場の避暑地”があるという。

 同じ地域でも標高差がなければ、熱がこもりやすい内陸部より沿岸部のほうが涼しい傾向にある。なかでも平均気温が特に低いのが千葉県の太平洋沿岸部だ。

 例えば、千葉県銚子市の平均最高気温は7月が26.6℃で、8月は28.6℃。南房総に位置する千葉県勝浦市の平均最高気温は7月26.7℃、8月29.0℃で、しかもこれまで35℃以上の猛暑日は一度も記録したことがない。
 
 いずれも東京都心の29.9℃(7月)、31.3℃(8月)より2~3℃低い。それに常に海風が吹いている地域なので体感的にはそれ以上の温度差を感じられるだろう。

 なお、勝浦市はホームページで、《夏の気温が低い理由は、沿岸の“海底”にあります。勝浦沿岸は水深が深く、海底に日光が届きにくいので水温が低いのが特徴です。(中略)風が冷やされ陸地に届くので、涼しい気候になるのです》と解説。また、外房は黒潮の影響で流れも速く、そうした立地的な恩恵を強く受けているようだ。

「勝浦は東京からJRの特急なら約1時間半で、銚子は約1時間50分。車ならさらに1時間前後余計にかかりますが、いずれも日帰り可能ですし、近場なので1泊2泊の小旅行にも最適です」(旅行誌編集者)
 
 一方、山に向かうなら東京都奥多摩町も平均最高気温は7月が27.4℃で、8月は28.5℃と都心よりは気温は低い。木陰などで直射日光を避け、渓流沿いなどであれば実際の気温以上に涼を感じることができるはずだ。
 
 遠方であれば避暑地は数多くあるが、当然お金も時間もかかってしまう。でも、わざわざ遠出しなくても避暑地は意外と身近な場所にも存在するのだ。

※画像は勝浦市の守谷海岸

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