9月24日、外務省は在韓日本大使館のホームページで、福島市、いわき市、東京・新宿と、韓国のソウル市の放射線量の計測結果の掲載を開始し、東京やいわき市よりもソウルの方が高い放射線量を示したことが明らかとなり、韓国国民の間では動揺が広がっているという。
「在韓日本大使館ホームページに公開された放射線量の測定値は、26日12時時点で、福島市が0.133マイクロシーベルト、いわき市が0.060マイクロシーベルト、東京が0.037マイクロシーベルト、ソウルが0.120マイクロシーベルトとなっており、東京よりソウルの方が3倍以上も高い数字となっています。27日の計測でもほぼ同じ結果に。この掲載をはじめたのは前外相の河野太郎防衛相の指示によるもので、河野氏はツイッターに『韓国において日本の放射線量についての関心が高まっていることを受けての対応』と説明しています」(社会部記者)
韓国政府は8月、日本からの廃プラスチックなどリサイクル用廃棄物を輸入する際に放射性物質検査を強化すると発表し、続いて日本産の一部の加工食品や農産物など計17品目に対する放射性物質の検査についても検査回数を増やすと発表。ホワイト国から除外されたことへの明らかな報復措置として、福島第一原発事故による放射線問題を狙い攻撃を始めている。今回の外務省の対応は、そうした韓国からの“嫌がらせ”に対応したものと考えられる。
「在韓日本大使館ホームページに放射線量が掲載されると、早速、韓国の日刊新聞『中央日報』が反応し、『測定機関も違い、具体的な測定地点や天気など変数を考慮しなかった測定値であるため単純比較は不適切だという指摘もある』と否定的な意見を展開していました。しかし、ソウルの放射線量が多いことは有名な話で、道路の舗装に使われたアスファルトの原料に混入していたり、アパートなどの外壁に使われたセメントに放射性物質が混入していたことが原因とされています。今回の外務省の動きは、建前上“ソウルと日本の放射線量は大差がない”との訴えですが、“このままいけば日本でも韓国からの輸入商品の放射線検査を強化する”という強烈なメッセージと捉えることもできます」(韓国事情に詳しいライター)
こうした応酬は、いったいいつまで続くのか。
(小林洋三)