あの「富士そば」が2300円玉子丼! 「インバウン丼」の声が出てもSNSが盛り上がる巧みな戦略

「名大 富士そば」は、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に店舗展開している人気蕎麦チェーン。ほとんどの店舗が24時間営業で、蕎麦の他にも、うどんにカレーやラーメン、丼モノなど豊富なメニューが揃っていることもあり、飲み会の後の“締め”や夜勤明けの食事に利用したことがある方も多いのではないだろうか。

 特に3玉分の蕎麦が山盛りになったボリューム満点の「富士山もりそば」(一部店舗で販売)などは、840円でお腹がいっぱいになると話題を呼んでいる「富士そば」。こうした店舗ごとの限定メニュー展開も人気の理由だが、ここにへて「DX柔らかポークの薬味たっぷり玉子丼」がSNS上で物議を醸しているというのだ。

 どうやら低価格がウリの富士そばにあって、まさかの「2300円」という高価格が外国人観光客を狙った「インバウン丼」ではないかと疑いの目が向けられているようなのだ。

 グルメライターが語る。

「高級メニューを展開しているのは東京・秋葉原電気街店で、『DX(デラックス)』シリーズとして提供されています。特にインバウンド向けの商品というわけではなく、新たに高品質基準の商品を開発する中で誕生したメニューのようですね。同店は立地的に多くの客が訪れるため、高級メニューを取り入れて客数を減少させ、従業員の負担を少なくしながら客単価を上げるのも狙いでしょう」

 もっとも我々庶民が2300円の丼飯をオーダーするのには、かなりの勇気を要するのも確か。一方で外国人観光客が飛びつくことは間違いなく、高級丼を横目に蕎麦をすする日本人客が卑屈ならないことを願うばかり。ただ、いずれにせよSNSで大いに話題になっているだけに巧みな戦略といえるだろう。

(ケン高田)

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