「紙がない!」JR四国のトイレ環境に「国鉄時代に退化」皮肉が飛ぶ困った事態

 秘境駅などを除き、多くの駅に設置されているトイレ。だが、一部の駅では困った問題も起きている。トイレットペーパーが置いていないからだ。

 香川県の鬼無駅(高松市)はそうした駅の一つで、さらに隣の端岡駅(同)でも《5月1日より、このトイレに「トイレットペーパー」は設置いたしません》とのJR四国の貼り紙がSNSに投稿されたことで話題になった。

「実は、JR四国では『無人駅のトイレは原則撤去』の方針を示しており、存続の条件として地元自治体による管理を挙げています」(鉄道専門誌編集者)

 同社の西牧世博社長は2月に行われた会見の中で「投資する資金も乏しいということなんで、できたら撤去したいですね」と述べている。そのため、トイレが設置されていても無人駅の場合はいまだに汲み取り式のままというケースも多く、水洗化などの改修工事を行う考えはない。トイレットペーパーにしても職員がわざわざ補充しに行かなければならないため、負担になるとの言い分は理解できる。

 だが、「香川県統計年鑑」によると、2022年度の鬼無駅の1日の平均乗降客数は1196人で、端岡駅にいたっては2328人と県内でも8番目に多い。これだけ利用客がいればトイレ環境にもう少し気を使ってほしいところだが…。

「JR四国は北海道と違って路線数が限られるため、次々とローカル線を廃止して赤字を削減することができません。経営的にかなり厳しい状況なのは事実で、トイレにかける経費を捻出するのも惜しいのでしょう」(同)

 ネット上ではJR四国の苦しい台所事情に理解を示すコメントも見られるが、《JR四国の駅のトイレ環境は国鉄時代に退化》《用を足した後、「紙がない!」って修羅場に遭遇する連中が今後増えそうだな》など皮肉を込めた意見も多かった。

 自治体がトイレットペーパーの補充を行っている駅もあるが、マメに補充されているわけではないので実際には紙が切れていることも珍しくない。四国を訪れる際は、いざという時のためにもティッシュペーパーは少し多めに携帯しておいたほうがよさそうだ。

※画像は鬼無駅

ライフ