「早死にサウナ」と「長生きサウナ」(3)外気浴で多幸感に包まれる

 最新の施設では、野外で行われる「テントサウナ」なども出現。さらには、通称ロウリュ(正式名はアウフグース)と呼ばれる熱いサウナストーンにアロマを含んだ水をかけて発生した蒸気をタオルなどであおぎ、サウナ室内に拡散させるサービスも一般化しつつある。これが、高温のサウナ風呂よりもリラックス効果の促進に一役買っているというのだ。太田氏が解説する。
 
「100度前後のドライサウナと違って、80度ほどと温度は低めなのですが、水分を含んでいるので体感温度が上がり、一気に発汗が促進されます。自動ロウリュを備える施設もありますが、主に『熱波師』などと呼ばれる専門のスタッフが行うところが人気ですね。ロウリュは重労働なので、スタッフをきちんと育成しているところはオススメとも言えます」
 
 さらに、ここにきて「水風呂」のバリエーションも増えつつある。
 
「水風呂というと、施設による違いはそれほどないと思われがちですが、実はこれこそ、現在のネオサウナブームの火付け役。広さ、深さ、照明に加え、滝のように浴びられたり、静岡、熊本、神戸には土地の天然水を使った、飲める水風呂もあります。さらに、最後に外気浴をすれば完璧ですね」(太田氏)
 
 外気浴とは、建物の露天部分や階段など浴室の外のスペースに出て、負荷がかかった体を休ませることだ。太田氏が外気浴の魅力を語る。
 
「自然に吹く不規則な風を浴びることが“ゆらぎ効果”となり、だんだんと気持ちがよくなって無理なく心も体もリセットされます。座った状態で目をつぶってボーッとすれば体がまた内部からポカポカしてきて、爽快感を経てから多幸感に包まれ、気持ちも穏やかになります」
 
  いずれにせよ、体に優しい健康サウナを満喫すれば、安眠できるばかりか、新陳代謝もよくなり、自律神経も鍛えられるとあっていいことずくめ。まさに中高年のオアシスとして注目すべきだろう。
 
「日常生活でリフレッシュする方法はいろいろありますが、手軽さとコストの面で言えば、サウナは最強です。スーパー銭湯などなら1000円かからず、仕事や家庭のストレスなどから解放され、最短で体も心もリセットできる。試さない手はないと思いますね」(太田氏)
 
 すたれたと思われていた昭和オヤジの娯楽の郷愁を味わうもよし、極上リラックスの場として活用するもよし。サウナの魅力を今一度、見直してはどうか。
 
【長生きサウナ5カ条】
・水分を十分に補給する
・入浴前に体を洗って老廃物を洗い流す
・入浴後は水滴を拭き取る
・サウナを出るのは発汗量を基準に
・入浴後は十分な休養をとる
 
【早死にサウナ5カ条】
・いきなり水風呂に飛び込む
・我慢して長時間入る
・睡眠不足や過労時は厳禁
・二日酔いで入る
・ハードな運動後は避ける

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