世界気象機関が23年を「史上最も暑い夏」に認定!でも「今年はもっと暑くなる」ってマジか

 すでに半年ほど前の話だが、2023年の夏は暑かった。ほとんどの人はうだるような暑さにうんざりしたのではないか。そしてこの猛暑は日本だけではなかった。1月12日に世界気象機関(WMO)が、23年を「観測史上最も暑い夏」に認定したと発表したのだ。

 WMOによれば、世界の平均気温は1850~1900年の産業革命前より1.45度高く、気候変動対策の国際的枠組みの「パリ協定」でぎりぎりの上限とする1.5度に近づいていると警告を発している。

「WMOはその原因の1つとして、特に6~12月は太平洋赤道域東部の海面温度が上昇するエルニーニョ現象の影響をあげています。エルニーニョは昨年5月に発生したのですが、気象庁の観測では24年5月まで続くとしています。WMOも同様で、その結果、24年も猛暑になるとしています」(全国紙記者)

 エルニーニョ現象は発生すると約1年間続くと言われている。これと全く逆に、海面水温が下がるのがラニーニャ現象で、それぞれ数年おきに発生する。近年の入れ替わりでは、18年秋~19年春にエルニーニョが発生した後、年春と21年秋~22、23年冬にラニーニャが発生。その後、23年春にエルニーニョが発生し現在に至っている。とはいえ、エルニーニョ現象が起こったからといって猛烈に気温が上昇するというものではないようだ。

「インド洋ダイポールモード現象というものがあります。これは、エルニーニョとラニーニャとは別の海洋変動です。インド洋熱帯域の海面水温が、インドネシア辺りの南東部で平常より低く、インド南部からアフリカにかけての西部で高くなることを『正』の、その逆を『負』のダイポールモード現象としており、この現象はエルニーニョとラニーニャの発生によって影響を受けます。23年の暑さは、エルニーニョと正のダイポールモードの2つの現象が同時発生したことにあるとも言われましたね。エルニーニョ現象はまた、時間を置いて気温上昇が生じるというタイムラグがあり、2年目は1年目より気温が高くなりがちだといいます」(前出・記者)

 実際、WMOも24年は昨年より暑くなる可能性があると指摘している。真冬の今から、もう半年先の暑さが思いやられるのである。

(猫間滋)

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