最多5組が紅白出場「Kポップ美少女」の悲惨“労働”実態(2)グループ内いじめで自傷行為を繰り返した

 デビューを勝ち取ったとしても、成功は約束されていない。それでも厳しい練習に耐え、デビューの夢を見るのだが、その過酷さは事務所によってまちまちで格差がある。

「SM、JYP、YG、HYBE、いわゆる4強と言われる大手事務所は資金が潤沢でコンプラやリスク管理もしっかりしています。ただ、大手以外で100以上ある中小事務所の中には資金が乏しいため、グレーな運営をしているところもチラホラ。トラブルも多いようです」(高月氏)

 事務所絡みのトラブルでは「清算システム」が挙げられる。芸能ライターが解説する。

「清算システムは、デビューを果たすまでの宿舎や食費、レッスン代などの費用を練習生に課す制度です。要するに借金ですね。デビューまでにかかった借金は、デビュー後に清算となります。例えば、デビューの前に練習生を辞めるとなると、全額返済を求められる。あるいは、運よくデビューできたとしても、鳴かず飛ばずで借金だけが残ってしまうというケースもある。特に資金に乏しい中小の事務所では、トラブルが絶えず、裁判沙汰になることが多い」

 事務所によるセクハラも大きな問題に。5人組グループYellow Beeは、一昨年解散後にスタッフからのセクハラを暴露している。

「スタッフから太ももを触られる、『ホテルに行こう』と誘われるセクハラは日常茶飯事。深夜に投資家らしき人物との酒席に呼び出されることもあったそうです。これは暗に『一夜を共にして、金を引っ張ってこい』ということですよ」(韓国芸能関係者)

 こうした事務所の歪んだ経営は、アイドル個人へ伝播する。メンバー間のいじめが横行することになる。20年、セクシー系ガールズグループAOAの元メンバー・ミナ(30)は、SNSで練習生の時からグループ脱退までの11年間、メンバーからいじめを受けたと主張。

「闘病中の実父を心配し泣くミナに『お前のせいで、雰囲気が悪くなるから泣くな』と控室のクローゼットに閉じ込めようとしたそうです。いじめは常態化していたみたいですね。ミナはSNSで自殺をほのめかし、自傷行為を繰り返すなど一時は危険なメンタルでした」(芸能関係者)

 LE SSERAFIMの初期メンバーのキム・ガラム(18)は中学時代、いじめ加害者であることが発覚し、脱退に追い込まれた。韓国ではいじめが社会問題となっている影響もあってか、芸能人の自殺も多いという。芸能ライターが語る。

「17年、男性グループSHINeeのジョンヒョン(享年27)、19年には日本でも大人気のKARAのク・ハラ(同28)、今年もASTROのムンビン(同25)ら自死が後を絶ちません。過熱するKポップ業界の競争が彼らを追い詰めているのかもしれません」

 光あれば影とはいえ、むざむざと闇落ちする若者たちには同情を禁じ得ない‥‥。

(つづく)

エンタメ