ジャニーズ新会社に就任「のん」エージェント社長の“人権意識”と“金儲け力”

 10月17日、新会社「SMILE-UP.」としてスタートを切った旧ジャニーズ事務所。同社は故ジャニー喜多川氏による性加害の被害者への補償に専念し、役割を終え次第、廃業する。一方、タレントのマネジメント業務を担当する新会社社長として東山紀之氏が内定していたのだが……。

 10月30日配信の「文春オンライン」が、東山氏が社長就任を辞退したと報じた。新会社の社長には、コンサルティング会社「スピーディ」の福田淳社長の名前が急浮上しているという。

 福田氏は日本大学芸術学部卒業後、東北新社などを経て、1998年にソニー・ピクチャーズテレビジョン・ジャパンに入社。07年、社内起業したソニー・デジタルエンタテインメント・サービスの社長に就任。17年にスピーディを設立し、ブランドコンサルタントとして活動。女優・のんとエージェント契約を結んだことでも知られている。

 移籍の自由がないなど、一部の古い芸能事務所の体質を以前から批判していた福田氏。10月3日公開の「NewsPicks」配信生動画でも、ジャニーズなど芸能界の問題に苦言を呈した。芸能事務所の問題として、奴隷契約(低賃金)、セクハラ・パワハラ、移籍を阻むこと、辞めたタレントへの嫌がらせなどを指摘。テレビ局の問題としては、人権意識の欠如(セクハラ)、大手事務所を辞めた俳優を起用しないといった忖度などを挙げた。

 仮に福田氏がシャニーズの新会社社長に就任すれば、日本の芸能界が大きく変わるきっかけになるかもしれない。タレントへの対応や待遇の改善だけでなく、収益についても期待できると週刊誌記者は話す。

「23年7月配信の『シュガーのりYouTubeチャンネル』に出演した際、自身がマーケターの才能に気づいた経験を明かしています。福田氏は日大時代、演劇をやっていたといいます。当時、福田氏は〝演劇は儲からないイメージ〟で、実際、かなりの赤字だったとか。そこで、公演しても『どうせ友達と親戚しか来ないから単価を上げろと』と提案。それまで300円だった入場料を3000円に上げたところ、毎回黒字に。福田氏は『不思議なもので黒字だというと、すごい芝居だということになって、ニューカスタマーがくるから結局黒字になる』と振り返り、そのとき、『自分は映画監督になりたかったけど、マーケターだなと。俺、クリエイターの才能ないわ、と。金儲けのほうだわと思った』と告白していました」

「SMILE-UP.」から出資を受けない新会社は資金面が不安視されているが、福田氏が新社長に就任すれば安心か。

(石田英明)

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