8月30日、三井住友銀行から「【重要・緊急】入出金を規制させていただきました」で始まるタイトルのメールが利用者の元に届いた。実はこれ、詐欺メールを注意喚起するために送られたものなのだが、タイトルを見て肝を冷やしたという人も少なくなかったようで、「三井住友銀行」がX(旧Twitter)のトレンド入りするなど大きな話題となっている。
「実際に送られてきたメールのタイトルには、続けて『…などのメールは詐欺です』と書かれているのですが、スマホのポップアップ通知画面や受信メールの一覧画面ではタイトルの後半が切れて表示されることもあり、アドレスを見ても送り主は間違いなく三井住友銀行だったため、本当に口座が凍結されたのかと驚いた人が相次いだようです」(社会部記者)
また、本文の冒頭にも「お客さまの口座の入出金を規制させていただきましたので、お知らせします。本人確認後、制限を解除することができます」と記されているが、続けて「などの内容で偽のログイン画面に繋がるボタンやリンクをクリックさせる」詐欺メールやショートメッセージが急増しているという注意喚起の内容となっているのだ。
「フィッシング対策協議会によると、今年7月に寄せられたフィッシング報告件数は約11万7,000件だったといいます。その中でも最も多かったのがAmazonを騙る詐欺で、2番めに多かったのが三井住友カードを騙るものだったといいます。こうした状況を受けて、三井住友銀行は一部詐欺メールの文面を取り入れた刺激的な注意喚起メールを送ったものと思われます。実際、SNSなどではかなりバズっていたので、しっかりと詐欺を周知させる狙いは成功したと言えるでしょう」(経済ジャーナリスト)
このメールを見た人は、同種の詐欺にはそう簡単には引っかからなくなるだろう。
(小林洋三)