テレビ各局が「バラエティ減→ドラマ枠増」にシフト!「お笑い芸人の淘汰が始まった」

 長らくバラエティ番組偏重の時代が続いたテレビ業界だが、しかし、ここにきて異変が生じているという。それは「ドラマ編成重視」への方針転換だ。

 現在の民放のドラマ枠は、テレビ東京が週9枠ともっとも多く、次いでフジテレビと日本テレビの7枠、TBSとテレビ朝日の6枠となっている。

 ただし、10月からはフジが54年ぶりに金曜9時台にドラマを復活させ、テレビ朝日もTBS日曜劇場の裏番組にあたる日曜9時台にドラマ枠を新設することが決まっている。

「特にフジは昨年4月と10月、今年4月にもドラマ枠を新設しており、今年10月の分と合わせて1年半の間に4枠と倍増。かつて深夜帯に次々と連ドラ枠を誕生させたテレ東を彷彿とさせる大胆な方針転換です」(テレビ誌編集者)

 連ドラ枠の増加は俳優や女優にとっては朗報だが、それは同時にバラエティや情報番組をフィールドとするタレントやお笑い芸人たちが仕事を失うことを意味する。そのため、業界では「淘汰がいよいよ始まった」と危機感を募らせる関係者が多いのだ。

「実は、コロナ禍の時点で『密を避ける』という名目で出演者の間引きが行われ、ゲスト出演者の枠は半減していました。ドラマ枠の増加はそうした状況に追い打ちをかけることになり、5年前よりもバラエティや情報番組に出るのが難しくなっています。知名度や実績が十分でも現在レギュラー番組が1つもなかったり、『あの人、最近見ないよね』なんてケースが増えていますね」(前出・編集者)

 お笑いコンビ「FUJIWARA」の藤本敏史は6月末に「ダウンタウンDX」に出演した際、「今レギュラー番組ゼロなんですよ」と告白した。彼のような売れっ子でさえも不安を口にしている。

「ユーチューブに進出する芸能人の中には、テレビの仕事が減ったからという切実な事情を抱える者もいます。とはいえ、動画配信で十分な収益を得ることができるのはごく一部。有名人だから必ず成功しているわけではなく、こちらでも苦戦を強いられている者が多いのが現状です」(前出・編集者)

 もっとも、ネプチューンの原田泰造やドランクドラゴンの塚地武雅など、ドラマ出演の多い芸人も少なくない。ドラマ枠増加は芸人にとって淘汰の波なのか、あるいは新天地の出現なのか…。

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