メタ「Threads」が猛追の最中…ツイッター社とマスク氏に集団訴訟「退職金5億ドル払え」!

 メタ社によるTwitterに代わる新SNSアプリ「Threads(スレッズ)」は、わずか5日間で利用者が1億人を突破した。

 ツイッター社は「Threadsが知的財産権を侵害している」と主張しているものの、肝心のTwitter利用者が日に日に減っているとの調査会社の報告も上がっているだけに、同社の劣勢は否めない状況だ。

 そんな中、ツイッター社と同社のイーロン・マスク氏は大規模な訴訟に見舞われることになった。ツイッター社を解雇された社員らが同社とマスク氏を相手取り、退職金支払いの集団訴訟を7月12日に起こしたのだ。

「原告の主張は計5億ドル(約690億円)の退職金を払え、というものです。訴えによれば、19年に採用された退職金制度では、基本給2カ月分プラス勤続1年以上の社員には1週間分の給与が、さらに上級社員の場合だと、基本給の6カ月分が支払われることになっていました。ところが、マスク氏がツイッター社を買収するとこの制度が反故にされ、一部の従業員には給与の1カ月分しか払われていなかったということです」(経済ジャーナリスト)

 原告団はさらに、「退職金未払い」に該当する元社員に訴訟に参加するよう呼び掛けている。今後はより大規模な法廷闘争になるかもしれない。

「マスク氏の独断専行な経営手法はさまざまなところで軋轢を生じさせてきましたね。買収後は認証システムを有料化して撤回したり、ユーザーが1日に閲覧できるツイートの数を制限するなどして大不評を買いましたし、一方で社内の改革も強引でした。ツイッター社はリモートワークの恒久化を他の大手ハイテク企業に先駆けて制度化していたにもかかわらず、マスク氏はそれを廃止し、社員の出社を強制したのです。さらにマスク氏は『社員のクビ切り』も断行しています。彼が行った社員の削減は5000人規模とも報道されました」(前出・ジャーナリスト)

 内外から猛烈な不評を買っているマスク氏にとって今回の集団訴訟はまさに泣きっ面に蜂!? いや、勇往邁進なマスク氏のこと、もしかしたら「5億ドル訴訟」など馬耳東風なのかもしれない。

(猫間滋)

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